菜の花プロジェクト活動と食の安全を後押しする「第１２回全国菜の花サミットinふくしま」が２８、２９の両日、福島県須賀川市を主会場に開かれる。東日本大震災、原発事故以降、東北３県、とりわけ本県の産業は深刻な状況にあるが、今サミットではシンポジウムや研究事例などを通して、放射能に負けない取り組みを発信する。第１２回全国菜の花サミットｉｎふくしま実行委員会（佐藤博実行委員長）の主催。
　休耕田に菜の花を植え、搾った菜種油を食用油、バイオ燃料に利用する取り組みが、菜の花プロジェクトネットワークを中心に全国的活動として進められているが、一方で菜の花には放射能に汚染された大地を浄化する作用もあるとされている。サミットではこうした研究事例も踏まえ、農地の原状回復や資源循環型社会への取り組みを探る。
　同サミットの本県開催は初めて。「よみがえれ　ほんとうの空　おきあがれ　明日への大地～『菜の花プロジェクト』と『食の安全』、放射能に負けない福島の姿～」をテーマとキーワードに開く。
　２日間の日程で、シンポジウム、分科会、エクスカーションなどを予定。初日は開会セレモニーに続き、ドイツの大学教授らの基調講演、専門家の事例報告、対談、最後にサミット宣言がある。２日目は福島空港ビルでの分科会、須賀川、いわき市の菜の花プロジェクト、すかがわプチ周遊の各コースへのエクスカーション、閉会セレモニー・分科会報告で幕を閉じる。
 
　■プログラム
　≪２８日（土）開会セレモニー、シンポジウム、交流会＝須賀川市文化センター、ホテル虎屋≫
　開会セレモニー〈午後１時～〉▽基調講演「ドイツにおけるバイオマスエネルギー村の取り組み～地域でのエネルギー自立の可能性～」＜１時４０分～＞▽事例報告「津波塩害農地復興のための菜の花プロジェクト」「菜種に対する放射性物質の影響について」「菜種単収アップに向けた栽培事例・技術の紹介」「須賀川市菜の花プロジェクトの取り組みについて」＜３時５０分～＞▽対談「福島の放射能と食の安全」＜４時４５分～＞▽サミット宣言〈５時５０分～〉▽交流会・歓迎レセプション〈６時３０分～〉
　□基調講演＝マリアンネ・カーペンシュタイン・マッハン氏（ゲッティンゲン大教授）ハイコ・ローエンゲル氏（ツェントルム・ノイエ・エナギーエン会社社長）□事例報告＝中井裕氏（東北大環境システム生物学分野教授）平山孝氏（福島県農業総合センター作物園芸部主任研究員）爲廣正彦氏（エコＥＲＣ社長）岩崎康夫氏（ひまわり総務部長）□対談＝河田昌東氏（特定非営利活動法人チェルノブイリ救援・中部理事）伊藤俊彦氏（ジェイラップ社長）
 
　≪２９日（日）エクスカーション、分科会、閉会セレモニー＝須賀川、いわき市、福島空港ビル≫
 
　エクスカーション＜午前８時４０分～・いわきコース、９時～須賀川コース＞▽分科会「農地の放射性量低減対策と食の安全確保について」「菜の花を使った津波塩害農地復興について」「菜種単収アップに向けた栽培事例・技術について」＜午前９時～＞▽閉会セレモニー・分科会報告＜午後１時～＞
　□分科会リーダー＝伊藤俊彦氏（ジェイラップ社長）中井裕氏（東北大環境システム生物学分野教授）爲廣正彦氏（エコＥＲＣ社長）
 
　■主催：第１２回全国菜の花サミットｉｎふくしま実行委員会
　■共催：特定非営利活動法人・菜の花プロジェクトネットワーク、財団法人日本グラウンドワーク協会、公益財団法人東京財団、須賀川市

　【写真：全国菜の花サミットをＰＲする大八木事務局長㊧らスタッフ】