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復興への思い

東日本大震災で見通す「いわき」の過去と未来 いわき地域学會幹事 おやけ・こういち(小宅幸一)  

いわき地域学會・常磐炭田史研究会 小宅幸一

 【略歴】1951(昭和26)年、石城郡錦町(現いわき市)生まれ。いわき市広報広聴課長、シンクタンク・いわき未来づくりセンター所長、企画調整部次長、いわき総合図書館長、勿来支所長を経て、今春退職。市嘱託で東日本大震災記録誌を執筆。「いわき市20年のあゆみ」(1986年)、「いわき市の合併と都市機能の変遷」(2001年)、「交通まちづくりの明日」(03年)、「地名の変化にみる、いわきの近代化」(08年)、「絵はがきの中の〈いわき〉」(09年)、「映像で綴る平・1956」(10年)、「映像で見る大正時代の四倉」(11年)、「いわき市勿来地区地域史1」(12年)などを執筆。個人では、「常磐地方の鉄道」(87年)、「黒ダイヤの記憶」(97年)、「常磐地方の鉱山鉄道」(06年)、「いわき発・鮫川折々紀行」(11年)など著書多数。共著のほか、雑誌、新聞などに寄稿

■いわき地域学會幹事・小宅幸一 いわき市は東日本大震災により大きな被害を受けた。それは市民すべてが共通する思いだろう。しかし、大津波、放射能被害、大規模な余震、風評被害などにおいて、同じ市内でありながらも地域や産業分野などによって被害の度合いが異なり、あるいは個々人の意識の違いが浮き彫りになった現実を、いわき市は全体でどう受け止め、どう復興につなげていけばいいのか、模索が続いている。

1966(昭和41)年10月、14市町村が合併した広域都市・いわき。このなかでは、海岸線60キロ余にわたる津波の被害、東京電力福島第一原子力発電所からの距離が近いところで20キロ、遠くで60キロ余という放射能被害における意識の落差、加えて4月11、12日に起きた同市南部における2度の震度6弱の余震による被害、海を売り物にしていたいわきの“海の幸”を手に入れることができないジレンマ、という要素がまだら模様で市民を蹂躙(じゅうりん)した。加えて、いわき市から避難していった人が7000人、逆に原発隣接地から同市へ避難している人が2万人以上という状況に、市が置かれた特異性をみることは容易だが、原発事故被害地「フクシマ」という現状は広く周知されていても、いわき市で起きている、なんとも一言で表現できないこの状況は、市外の人はもちろん、いわき市民としてもどれだけ説明できうるだろうか。

少なくとも言えることは、いわき市が多様な地域特性が引き継がれて成り立っているのを、漠然とではなく、はっきりと意識させられたことであり、大津波、放射能被害、大規模な余震、風評被害のいずれをとっても、いわき市が「一色」に染まることはないことだ。

もう一つ、あらためて浮かび上がったのは、現在と縁のないと思っていた過去の事象がまるで土足で家に踏み込むように、現生活を壊していったことだ。

液状化現象、家屋の倒壊、防潮堤の崩壊など、眼前に起こった被害が、しばらくすると、過去とのつながりを彷彿(ほうふつ)させることになった。傾斜地の盛り土や旧河川、湿田の埋め立てによる住宅化、旧来の土木技法など、私たちは過去のものとして、これまであまり振り返ってこなかったことが、今を激しく揺さぶっている。

しかし、過去の事象は記録に綴られたものばかりではない。歴史の嵩(かさ)に埋もれてしまったものもある。歴史に接する機会を持っていない市民には、目の前に見えていない事象をどう解釈していいのか、わからない。

もちろん、今を生きる私たちが過去に学んで参考にすることはあるが、日常生活レベルにおいて基本的には忘れても何の支障もない。むしろ過去は邪魔な存在であるかもしれない。加えて、現社会は何十年、何百年に1度を考えるだけの余裕を私たちに与えていない。常に前を向き、“進化”という技術革新を梃子(てこ)に新しい生活を生み出そうとしている。先進国と言われた日本の宿命ですらある。

このように、過去とのつながりを見失いつつあったのは、一地方のいわき市においても、同様だった。

この二つの事由を考えただけでも、今回の大震災は、あらためて私たちの日常が、良きにつけ悪しきにつけ、過去からの「贈り物」のうえに成り立っていることを認識させられる。

今回の大震災で露呈したのは、とかく悪しき部分である。しかし、復旧、復興に際しては悪しきの部分を取り除いただけでは、展望は拓けないはずだ。

そのときのさまざまな反省や課題に対し、確実に言えることは、残念ながら具体策の多くは被災後の「今」の視点でしか、将来を見通すことができないことだ。そのことは、私たちの考え方が「今」から決して逃れられないという自明の理(じめいのり)に導かれる。

急がれる復旧、復興。そこで必要となるのは、必ず「過去」から積み重ねられた財産や遺産であろう。「今」を考えただけの復旧、復興は将来を確約できるか。その危うさを少しでも補えるのは「過去」である。豊かだった海、臨海部に育った産業、湯量豊富な温泉など、すべての今に過去が内在する。

私たちが「いわき」というフィールドに何の「過去」を見出すことができるか、「今」に「過去」の何を付加すればいいのか、私たちはもっともっと、地域独自性を根気よく掘り下げていくことによって、他地域とは異なる、次なる飛躍につながるのではないだろうか。
 

 

【写真㊧:東日本大震災による津波に襲われる、いわき市岩間町の海岸と集落 2011(平成23)年3月11日】 〈福島県消防防災航空隊所蔵〉
 

 

 

 

 

【写真㊨:大災害は不幸なことだが、深い地域の記憶は人の新たな創造を生み出す可能性を秘めている。いわき市錦町須賀の被災地に咲くハマヒルガオ  11年6月】 〈いわき市広報広聴課提供〉

 

 

 

 

 

 

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