放射能汚染のこれからの取り組みなどについて考える「母と子のふくしま未来対策の集い」（穂積育子代表理事）は７日、ベラルーシ共和国の特命全権大使らを招いた講演会を郡山市の郡山ユラックス熱海で開いた。
　ベラルーシ共和国大使のセルゲイ・ラフマノフさんは、チェルノブイリ原発事故で受けたベラルーシの放射能汚染状況について説明。現在の同国の取り組みと、日本における今後の対策、課題について述べた。
　１３万８０００人が避難指示を受け、２０万人が自主避難したベラルーシの人々だが、「国民はみな、自分の住んでいるところの線量を正確に知っている」と話した。原発事故で精度の高い放射能測定器の開発が進み、「現在は世界中で最も厳しい食品における放射能コントロールを１００％行っている」と説明した。「汚染地図を作るのに８年かかったが、日本はもっと早くできるだろう」とも話した。
正しい情報を伝え、協力体制を制度化して継続的なものにしていく必要性も強調。日本の線量計の精度がベラルーシに比べて低いことに憂慮した。また、汚染地区の社会的サポートのため、法律の準備を急ぐ必要性も訴えた。
　澤田昭ニさん（市民と科学者の内部被曝問題研究会代表）、野呂美加さん（チェルノブイリの架け橋代表）、堀口貞夫さん（主婦会館クリニック院長）らの講演もあり、参加した約２５０人の市民に放射能から身を守るための知恵をアドバイスした。