太陽光電池、ディスプレイ検査装置開発のアイテス（滋賀県野洲市、比嘉道夫社長）は、ソーラー（太陽光発電）パネルの稼働状況を簡単に点検できる検査端末を開発した。稼働中のソーラーパネルに端末をかざせば、不具合をその場で確認できる画期的な点検装置だ。一般家庭用だけでなく、メガソーラーなど大規模施設での需要も見込んでおり、５月にも販売を始める。

売り出すのは、ソーラーパネル点検装置「ソラメンテ（Solamente）」＝写真。結晶系太陽電池パネルの表面にかざし、発生している磁力の状態で正常に稼動しているかどうかを確認する。自然界の磁場影響を除去し、微妙な磁気の変化を感知できるのも特長。

ランプ点滅とブザー、振動などで瞬時に検知できることから、女性にも取り扱い易い仕様。リチウムイオン電池による充電方式。端末、充電器、パネルの不良部位に張るシールとのセットで、価格は２６万２５００円（税込み）。限定１００台。先行予約を受け付けている。市場動向をにらんで、将来的には量産体制を目指す。

従来は、ソーラーパネルを設置した後に異常が発生した場合、すべてを取り外して調べる必要があった。このため、設置したままの状態で故障個所を探し出すのは極めて難しいとされ、メンテナンスでの特定は不可能だった。今回の開発により、「聴診器を当てて健康診断するように、正確に異常個所が発見できる」（同社製品ガイドブックより）点から、“ソーラードクター”との呼び声も高い。

これから設置を考える家庭や、施工、保守点検にあたる業者からは「故障パネルを１枚ごと知ることができる」「故障を早く見つけ、損失を防ぎたい」「保証期間内に簡単に故障が見つけられる」「発電を確認し、施主様に示したい」「クレームがあった際、明確に切り分けできる」といった声が寄せられているという。

業界初となる新製品ソラメンテは、このほど東京ビックサイトで開かれた「ＰＶ　ＥＸＰＯ２０１２　第６回国際太陽電池展」に出展され、高い技術が業界、国内外の関係団体などから注目を浴びた。

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　同社は、日本ＩＢＭ野洲事業所の品質保証部門を母体にして１９９３年に設立。各種検査装置の開発のほか、電子部品の信頼性評価と部品解析、法人企業向けパソコン修理などを手掛け、高い評価を受けている。
　問い合せは、株式会社 アイテス（ＩＴＥＳ）へ。〒520-2392滋賀県野洲市市三宅８００（電話077-599-5015、ファクス077-587-5900）　http://www.ites.co.jp/

　
　【写真：国際太陽電池展に新製品ソラメンテを出展したアイテスのスタッフ。右端は比嘉社長】