郡山市の奥羽大学で２５日、オープンキャンパスが開かれ、来年度の入学を希望する学生と保護者が説明会に参加した。
　今回のオープンキャンパスは、歯学部と薬学部それぞれの学部紹介が行われ、キャンパス内の施設や教育課程、大学卒業後の進路と就職実績などが紹介された。
　参加者は大学受験の参考にしようと、メモを取りながら真剣な眼差しで説明に聞き入っていた。
　シドニーオリンピックの水泳１００メートル背泳ぎ銀メダリストの中村真衣さんの講演もあった。演題は「夢は生きるパワーの源～夢を持っていますか～」。
　中村さんが所属するJSSのマネージャー木尾克己さんとの掛け合いで、ユーモアたっぷりに自身のこれまでの経験を語り、競技生活から得た教訓を学生たちにアドバイスした。
　中村さんは１９７９（昭和５４）年、新潟県長岡市に生まれ。４歳から水泳を始めた。
　中学生の時にバタフライから背泳ぎに転向し、中学3年で日本選手権に初優勝。
　１９９６（平成８）年のアトランタ、２０００（平成１２）年のシドニーと２度のオリンピックに出場している。
　シドニーオリンピックでは、１００メートル背泳ぎで２位、4×100メートルメドレーリレーで３位に入賞し、2つのメダルを獲得した。
　引退後は、スイミングアドバイザーとして水泳指導や講演活動などを行っている。
　順風満帆とも思える中村さんの水泳人生だが、挫折することもたびたびあったという。
　中村さんは講演の中で、「小学６年の時、水泳をやめようと本気で考えたことがあった。当時は毎日５時間泳いでいたが、運動量の多いバタフライは体力的につらかったし、友だちとも遊びたかった」と本音を語った。
　しかし、辞めるつもりでコーチに相談したところ、種目を変えて続けるようにアドバイスされ、背泳ぎに転向する決意をした。
　中村さんは「自分で考えて決めたことなので、今までよりも頑張れたし、実力を発揮することができた」と当時を振り返った。
　アトランタオリンピックでは4位に終わり、惜しくもメダルを逃したが、「悔しい思いをしたとき、あきらめてしまう人もいる。でも、自分はそれをバネにして頑張った。学生の皆さんにはとことんチャレンジして欲しい。好きなことは自分を強くしてくれる」とも語った。
　中村さんは、オリンピックで獲得した2つのメダルを持参し、「家に飾っておくより、皆さんに触ってもらったほうがメダルが生きるので、自由に手に取って見てください」と話した。
　参加者たちは、貴重なメダルを実際に手に取り、首から下げるなどして重みを確かめていた。
　講演のあとはキャンパスツアーと個別面談が設けられ、参加者たちが学内の施設を見学したり、進学の相談を行った。