放射線について理解を深め、生活に役立ててもらおうと、郡山市は２１日、　放射線と健康に関する講演会を市こども総合支援センター（ニコニコこども館）で開いた。郡山医師会の協力。
　国立保健医療科学院・生活環境研究部長の欅田尚樹さんが「放射線の健康への影響について」と題して講演。欅田さんは放射線、放射能の基礎知識や、食品に含まれる放射性物質の調査結果、放射線による健康影響などについて言及。「放射線医学総合研究所の調査によると、１年間で１００ミリシーベルトまでゆっくり被ばくした場合、がんで死亡する人の割合は０．５％増加するが、それより低い被ばく量では明確な増加は見られない」と述べた。
　そのうえで、「県民の行動記録をもとにした推計で、昨年７月１１日まで４カ月間の外部被ばく線量は最高でも２３ミリシーベルト。放射線による健康への影響があるとは考えにくい」と語った。
　また、「残念なことだが、長年にわたって放射線と付き合っていかなければならない。行政や専門家だけでなく、生産者や市民がコミュニケーションをとって、一緒に問題に取り組んでいかなければならない」とも述べた。
　市民ら約６０人が受講し、メモを取るなどして真剣に聞き入った。 　講演会は24日も同センターで開く。午前１０時～正午。
　講師は、医療法人仁寿会菊池医院副院長の菊池信太郎さん。演題は「子どもの健康のためにできること」。
　参加無料。定員１２０人。当日、先着順。
　問い合わせは、同センター・こども支援課（電話024-924-2525）へ。