今年の３月１１日には、福島や他の地域の被害を受けました皆様のことを、特に考えていました。ワルシャワでは追悼コンサートが行われました。

 コンサート中、東日本大震災の写真が放映されました。音楽を聴きながら、その写真をみたのです。去年のテレビのニュースを思い出して、泣いたと書いたら、大げさに聞こえるかもしれませんが、しかし、周りの人に見られながらもずっと泣いていました。そして、その時は様々なことを考えていました。例えば、私は時々様々なことで悩んだりします。「あれがない、これがない、お金が足りない。」などですけど、地震の被害で、全部や色々と（家族、もの、健康など）失った人のことを考えると、私の悩みなどはたいしたことではありません。

 私の家族は戦争中、貴重なものをナチスによって盗まれて、やっと残ったわずかな物と家も、燃やされてしまいました。それで、その後の人生は、ゼロから始めなければならなかったのです。去年の大震災と同じです。祖母ちゃん（祖父ちゃんが戦争中殺されました）から戦争中（勿論、私は生まれていなかったのですが）の話を聞いて、なんとなく想像できました。話を聞いた時は、心が破裂しそうになってしまいました。

 また、私の出身地はポーランドの南東にあるルブリンという都市です。ウクライナの近くです。１９８６年にはチェルノブイリの事故がありました。その時、私は中学生でした。ポーランド人は事故のことを知ってからは、直ぐにでも亡くなるのかと思いました。当時は社会主義国家で、情報が伝わってからも私たちは、何もできなかったです。これまでにように普通に生きていくしかなかったです。そういう過去のことを考えると、ポーランド人と日本人には共通点があると思いました。悲しい共通点ですが・・・。                                                                           

 ある日本人が書いたことばを覚えています。「地震後、被災者が配給物をもらうためにちゃんと列に並んでいました。人としての誇りをもって。」このことばにあったことが、私にとって、一番感動的なことでした。外の国でしたら、列に並びません。皆様、日本人である誇りを持って生きていって下さい。これからはまだ大変ですが、頑張って乗り越えて下さい。