東日本大震災と福島原発事故から１年。福島県郡山市の開成山球場では１１日、県内外から約１万６千人（主催者発表）が参加した「原発いらない！３・１１福島県民大集会」が開かれ、原発のない社会の実現を目指した集会宣言を採択した。

　全国規模となった集会には、農林漁業、商工業団体、事業所、労働団体、市民グループなどから５５０を超える団体、グループと、仏教徒、一般市民らが参加した。内野席が一面埋め尽くされたほか、周辺にも大勢の市民らが詰めかけた。

　オープニングコンサートで詩人和合亮一さん（福島市）の詩が朗読、続いてシンガーソングライターの加藤登紀子さんが「百万本のバラ」や「イマジン」、被災地の飯舘村を訪問した際に仕上がった楽曲「命結－ぬちゆい」を歌い上げ、連帯と絆をアピールした。

　集会で竹中柳一実行委員長（福島県平和フォーラム代表）が開会宣言、呼びかけ人代表の清水修二福島大副学長が「原発事故は、国の破滅につながりかねない巨大な事故であることを私たちにはっきりと示した。放射能という分断を乗り越えて、心を一つにして前に進もう」とあいさつした。

　作家の大江健三郎さんは「原発すべてを廃止すれば、私たちや、私たちの子ども、その子どもたちが原発事故で放射能被害を受けることは絶対なくなる」と、原発のない社会を呼びかけた。県民を代表し、主婦、農業者ら３人が惨状を訴えた。

　地震の起きた午後２時４６分、参加者全員で黙とう。呼びかけ人の小渕真里さん（アウシュヴィッツ平和博物館長）が集会宣言を提案し、採択された。
　このあと、参加者たちは横断幕やプラカードなどを掲げて市内を行進した。

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