「不可解な戊辰戦争」 

　薩摩・長州の新政府軍と徳川幕府の戦いは鳥羽・伏見の戦いから上野の彰義隊の戦い、東北の会津戦争、函館の五稜郭の戦いと北上しながら戦いの火の手が移っていくが、忘れてはならないのが摩訶不思議な江戸城無血開城ではないであろうか。
　▼無血開城は薩摩の西郷隆盛と徳川の幕臣勝海舟の二人の会談で日の目をみたとされているが、そのシナリオを描いたのは、一体誰なのか。疑問は今も消えず疑心暗鬼は募る。さしあたり表に出ない人物、暗躍した何者かが居たのかと思わざるを得ない。 

　▼さて、清国が滅んだアヘン戦争に話題は移る。インド、南シナ海、東南アジアを越えて香港まで来たアヘンが日本へは来ていない。小さな日本海を渡れなかったとは考えられない。明治の新政府が唱えた「文明開化」「脱亜入欧」や「富国強兵」の真の実行者は誰なのかを考えて欲しいと西氏は指摘する。
　▼ぼやけていた輪郭が鮮明になる。英国は日本を食い物にしようとしていたはずなのに不思議だ。そう考えれば、江戸の街を戦火から守ると言う無血開城もなるほどと思う。江戸を火の海にしては英国の阿片ビジネスも成り立たなくなるからだ。 

隠された明治維新を探究する米国スタンフォード大学フーバー研究所の西鋭夫教授は、再三指摘する。