「TPP参加へのイギリスの思惑」

　1960〜70年代にかけて、環太平洋地域における経済統合「太平洋自由貿易（PAFTA）構想が日本を含む米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの５か国で自由貿易を実現、域内関税の完全撤廃を進めようという狙いだった。PAFTA構想は、一橋大学教授で経済学者小島清氏らが提唱した。
 

▼小島氏は著書「太平洋経済圏と日本」で「大いなる発展潜在力を秘める太平洋地域の開発を世界全体のため促進することが太平洋通貨圏・自由貿易地域の

促進する好機」として、先を見据えた日本の通商戦略を説く。

▼その半世紀後に今度は環太平洋パートナーシップ（TPP）構想が浮上しPAFTAの５カ国を上回る11か国による大連合が登場する。こうした折、協定に参加している日本など11か国はイギリスの加入を認める方針を固めた事をマスコミが報じた。

▼TPPが2018年に発効して以来、発足時から参加している11か国以外で加入が認められるのはイギリスが初めてという。