ここに住んでいてとても嬉しいのは、お店のお客さんたちなどマチの人たちが、わたしたち留学生にとても親切だということです。たとえば小柄な私が、マーケットのキャリーを動かそうと悪戦苦闘して、逆にキャリーに振り回されてうまく進行できないでいると、スーッと代わりにひいて行ってくれます。また、よく声を掛けてくれます。この前ジャムを買った時、傍にいた老夫人が「あなたの選択は正しいわ、私もそれを選ぶでしょう。」と私ににこにこしながら話しかけてくれました。
　今の日本よりお互いかかわっているのかもわかりません。日本ではいつの間にか「不審者」という言葉のもとに他人に声も掛けられない社会ができていますから。母から聞いていた日本の昭和３０年代の人とのかかわりがここにはあるようにも思えます。アニメ映画「トトロ」のころでしょうか、私がとても憧れる時代です。
 
　母と言えば、スカイプでやり取りはしていても、いろいろ私の事が心配なようです。以前、ハリケーンが近づいた時の話です。ニューヨークに避難指示が出された時この学校でも学生が集められ、有事にどうするかという説明がありました。もともとこの地域は、ハリケーンも洪水もまた、竜巻の被害も全米で一番少ないところです。学校を決める時に避難生活中だった私は、災害が一番少ない地域から学校を選びました。語学にまだまだ自信がないので、何かあったときに取り残されたりしては大変と思ったのです。
　今回の日本でのような事にアメリカで遭遇したくないと思った結果がケンタッキーだったのです。
　その時の学校からの説明は、「きちんと知らせるから地下に逃げましょう」という内容でした。そのことを母に話したら、「洪水になるかも知れないのに地下に逃げてどうするの。皆と一緒と言うなら、ウォールマートで買ったジュースのペットボトルを持っていって、水が押し寄せても浮くようにしなさい。」と、言っていました。なるほど、そういう使い方もあるのですね。大きなペットボトル…。

　　（写真は３Lのペットボトルです）