脳神経疾患研究所・附属総合南東北病院（福島県郡山市）は１９日、市民公開講座を同病院で開き、３人の医師が腰痛、手足のしびれの原因と治療方法について解説した。

「なぜ起こる？どうやって治す？腰痛・手足のしびれ」をテーマに、講師の中川洋氏（ＮＰＯ法人脊髄疾患治療研究機構理事長、愛知医科大名誉教授）、伊藤康信氏（脳神経疾患研究所・附属総合南東北病院副院長）、山本悌司氏（脳神経疾患研究所・附属総合南東北病院神経科研究所長、福島県立医大名誉教授）が、それぞれ「手がしびれる－その原因疾患と治療法－」、「知ってますか？腰痛治療の最前線」、「手足の痛みとしびれ－内科的原因と治療－」と題して講演した。

このうち中川医師は、首の骨を痛めるなどして起きた頚椎（けいつい）、頚髄（けいずい）損傷や、手足、関節の病気につながる脊髄靭帯（せきずいじんたい）骨化症などを、ＭＲＩ（超伝導磁気共鳴画像診断）、ＣＴ（コンピュータ断層撮影）画像を用いてわかりやすく説明した。

中川医師は「けがから起きる症状が多く、特に高齢者のけがは８割が転倒事故。このうち７５％が居室で起きている」と指摘した。暮らしの中での歩き方の改善や運動不足解消、それに意識して動き、歩くことなどを勧めた。

受講者からは「寒さによって痛みやしびれが増すのはなぜか」といった質問もあり、中川さんは「寒さが神経を過敏にする。温泉などに浸かって温まるのも解消法のひとつ」などとわかりやすく答えた。約１５０人の市民が受講し、メモを取るなどして熱心に聞き入った。