こんにちは。
　皆様、今日はポーランドの有名なヴィエリチカ岩塩坑を紹介します。
 
 ヴィエリチカの岩塩は1360万年前にできました。その周辺に6千年前に定住していた人間は塩を作りはじめました。ただし採掘ではなく、何か所もあった穴に溜まった塩水を蒸発させ、残った塩を精製するという作り方でした。
　11～12世紀にはヨーロッパ中にも良く知られていました。採掘が始まったのは13世紀の80年代でした（1290年だといわれています）。日本語の様々な資料には岩塩坑としては世界最古であると書いてありますがそれはちょっと違います。ポーランドでも最古ではありません。ヴィエリチカの近くにあるボフニャという岩塩抗のほうが古くて、そこで採掘が始まったのは1250年ごろでした。
 
 ヴィエリチカ岩塩抗は地下一階（64ｍ）から9階（327ｍ）までの深さです。廊下の長さは約240ｋｍ、部屋は約2350室です。観光可能なところは1階~3階（135ｍ）です。
 地下に下りますと周囲は岩塩です。ある廊下や部屋の壁は木材で支えられています。塩の彫刻が素晴らしいです。塩の結晶で作られたシャンデリアも見事にできています。
 ある部屋は床のタイルがその場で岩塩の中で掘られました。だいたい全ての彫刻や浮き彫りは岩塩の一部です。他のところで作られ運ばれてきた彫像もありますが少しだけです。
 
 地元のガイドたちは、冗談として、「もし塩だと確かめてみたかったら、彫刻以外は何でも舐めてもいい」といいます。ただし、埃も結構溜まっているので、舐めるのでしたらきれいなところをさがさないといけません。
 
  地下に下りるとお客様達は彫刻や壁が白くないことでビックリなさいます。食塩は普通は白い色なので、岩塩抗もそうだと思い込んでいるみたいです。岩塩の中には様々な鉱物が入っていますので、色は異なっています。あとはローム、砂も入っているそうです。
　そのために岩塩の形もいろいろです。髪の毛の塩結晶もあります。「クリスタルの塩」というのが一番貴重な岩塩です。だいたい100％純粋の岩塩で、透明な白です。「クリスタルの塩」では主にシャンデリアを作ります。
 
　丁度20年前、1996年に採掘が中止されました。
 
  岩塩抗には「地下の療養所・サナトリウム」もあります。独特な微小気候（注1）のため、呼吸器病にかかっている人にとって最高だそうです。
 
  ヴィエリチカ岩塩抗は1978年にユネスコの始めてのリストに世界遺産として記載されました。そのときは12箇所が選ばれ、そのなかの2箇所はポーランド国内にあるところで、ヴィエリチカ岩塩抗とクラクフ市の旧市街でした。
　
　ヴィエリチカというのは岩塩抗だけではなく、同名の町もあります。大きくはなくて、人口は2万2千人ぐらいです。可愛い旧市街広場には岩塩抗の内部をあらわす３Ｄの絵画がとても素敵です。気をつけないと本当に地下に落ちてしまいそうな感じです。
 
             （注1）微小気候  
　　　　（注2）マイクロクライメント
　　　　　 ぶどう園などの狭い範囲における微細な気候や土壌などの環境条件の差異。
　　　　　日本語の直訳では「微気象」「局所気候」「微小気候」など。
　　　　　　　　　　(出典：miudo.com 用語辞典より http://miludo.com/1601-21.html）
 
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