冬はとても綺麗な季節です。確かに寒くて、時々生活を難しくしますが、雪景色のことを考えますと、心が楽しくなります。（こう思うのが私だけではないことを望んでいます。）冬のポーランドは魅力的だと思います。
  山は国の南のほうにしかないですから、結構込みます。１月後半から２月後半にかけての２週間に子供の冬休みというのがあります。その時には、やっぱり山のほうに行きたがります。「ポーランドのアルプス」はタトラ山脈といいまして、一番高い頂上は２４９９メートルです。日本と比べるとそんなに高くはないかもしれませんが、ポーランド人はそこが大好きで昔から人気のあるところです。特に、１９世紀には有名な場所になって、ポーランドの画家、作家、詩人、作曲家、知識人、政治家などがそこに自分の別荘をもったりしました。キュリー夫人も家族と一緒にそこへ行ったりしていました。彼女の姉夫妻が医師で、ザコパネ（タトラ山脈の一番主な町）でサナトリウムを造りまして、有名人もそこで治療を受けていました。
  タトラ山脈の隣はピエ二ネィという山脈がありまして、あまり標高は高くない（１０００メートルぐらい）のですが、とても魅力的なところです。その周りはべスキディ山脈で、全部カルパティア山脈の一部です。ポーランドの南西はスデティ山脈もあります。スデティは紀元後２世紀から知られていまして、クラウディオス・プトレマイオス（古代ローマの天文学者、数学者、地理学者、占星術師）によってつけられた山名です。山のあちこちで索道（チェアリフト、ゴンドラリフト、ロープウェイ）やケーブルカーを使用できます。また、スキーできるところも多く、沢山の人が楽しみます。
  山のことを書きましたが、冬はスキーだけではないので、遠くまで行けない人たちは雪景色の中での違う過ごしかたをしたいと思います。ポーランドはまだ農業国で、森林や畑が多くあります。それで、全国の色々なところで「雪馬車」の遊びができます。馬そりといえばいいのでしょうか。ポーランドで生まれた伝統的な習慣で、シュラフタというポーランド王国の貴族階級が１４世紀に考え出した遊びの一種です。ポーランド語ではKuligクリグといいます。夜のクリグもありまして、乗っている人はたいまつを持ちます。すごく迫力のあるアトラクションになっていて、みんなたいまつを持ちたがります。
馬そりで走ることだけではなくて、焚火も作りまして、肉、ソーセージ（ポーランドは世界一、ハム類もそうですよ）、パン、じゃがいもを焼いて、伝統的な料理であるビゴス（発酵したキャベツと肉の煮込み料理）、カプシニャク（発酵したキャベツのスープ）、グロフフカ（豆のスープ）を食べます。それだけではなく、歌も勿論歌います。また踊る人もいます。寒いときは、（アルコールは飲まないほうがいいですが）本当のことをいうとウオッカ、ビール、ワインも飲むのです。焚火は暗くなってから綺麗に見えます。そういう焚火の周りを踊るのです。
  ポーランドの北のほうにはバルト海があり、寒中水泳の好きな人はそこへ行きます。そいう人のことを「セイウチ人間」とポーランド人は呼びます。家族中で寒中水泳する人もいますね。時々、小さい子でも冷たい水で泳いでいるのを見かけます。すごいですね。こっちが鳥肌がたってしまうけど、当人は平気です。日本にもセイウチ人間がいますかしら。
  今、ポーランドは寒くて、夜の最低気温が－２４℃（ワルシャワで零下２１）です。あるところは数日後零下３０を越えるという予想です。まあ、ポーランドだけではないですね。寒波がきていますから。ですから、頑張って過ごしましょう。雪景色を楽しみながら・・・。