福島県、県農地・水・環境保全向上対策地域協議会は４日、「ふくしまの水文化」講演会と「ふくしま・むらの輝き２０１１写真コンテスト」表彰式を郡山市の県農業総合センターで開いた。

写真コンテストには、のどかな自然の中で営まれる農村風景や地域ぐるみの活動風景写真が数多く寄せられた。審査の結果、最優秀賞には渡辺アツシさん（福島市）の作品「帰り道」が選ばれた。金色に輝く棚田を、人が自転車で通り過ぎていく風景を収めた。

渡辺さんら１１人の入賞者を表彰し、続いて、水に関する習俗から施設までを紹介した「ふくしま水文化」（生活の中の水文化、水に関する産業、水に関する施設）の選定を説明した。元県立博物館学芸課長の懸田弘訓（かけた・ひろのり）さんが「ふくしまの水文化を考える～水文化から見る人と水とのかかわり～」と題して基調講演、スライドを交えて県内の水にかかわる祭事や信仰、伝説、清水、水場、産業施設などを紹介した。

地域の活動事例では、伊達西根堰土地改良区事務局長の石川博利さん、猪苗代町・長坂ふるさと資源保存会会長の黒沢孝（こう）さんがそれぞれの取り組みを発表した。石川さん、黒沢さんは地域の自然、資源を守る活動を熱く語りかけた。

このうち、黒沢さんはふるさとを守り抜く地区民たちの思いを３行の言葉にして伝え、感動を与えた。

〈美しい村など、はじめからあったわけではない。美しく生きようとする村人がいて、村は美しくなったのである〉と。
 

写真コンテストの受賞者次の通り。

【テーマ共通】▽最優秀賞＝渡辺アツシ（福島市）

【地域ぐるみ活動】▽優秀賞＝中村繁（福島市）猪股みき子（郡山市）▽入選＝近藤功（浅川町）鈴木孝、佐々木俊昭（福島市）

【農村風景】▽優秀賞＝丹治美知夫（福島市）野添純一（郡山市）▽入選＝斎藤京子（白河市）河野善次（福島市）佐々木正志（郡山市）

 　【写真：スライドを用いた基調講演（左上）、活動事例に聞き入る参加者（左中）、活動事例を発表する黒沢さん（右上）、渡辺さんの最優秀作品（左）】