１２００年余の歴史を誇る本宮市糠沢の高松山観音寺（矢島義謙住職）で３０日、伝統の初寅（はつとら）大祭が開かれ、厳冬の中、呼び物の裸みこしが威勢よく繰り広げられた。東日本大震災の犠牲者の追悼も行われた。

  天台宗の霊山で知られる同寺の初寅大祭は、東北の守り神・毘沙門天を祭る行事として旧暦最初の寅の日に開かれている。今年も無病息災や家内安全などを祈願する多くの善男善女でにぎわった。
　矢島住職ら幾人かの僧侶が本堂で梵天（ぼんてん）を清め、境内で採灯護摩祈とうした。高松山御詠歌舞踊、高松山権現太鼓が披露され、元気な子どもみこしも繰り出した。

呼び物の裸みこしは、下帯姿の高松山仏教青年会のメンバーがみこしを担いで採灯護摩の周りを三周、福をまいて駆けめぐった。みこしから投げられる梵天を取った参拝者には福が招かれるといわれる。