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コラム・筆は一本也

「桜の下には人」

今年のサクラは、平年より早い開花となるところが多いとのことだ。開花が一番早い予想なのは東京の3月18日、続いて福岡の19日らしい。暖冬で降雪量の少なかった今冬だが、やはり春の息吹や足音が近づくと自然と気持ちも和らいでくる。震災・原発事故から5年が経過した福島県だが、民間の気象会社によると、開花予想は福島市、いわき市小名浜がともに4月4日と、それぞれ例年よりも5日、2日早くなるらしい。日本三大桜のひとつに数えられる三春町の「滝桜」の開花は、4月10日で、見ごろは15日と予想している。
 
▼福島県観光情報サイトには、県内のサクラスポット190カ所余が紹介されている。気候風土が会津、中通り、浜通りと3地方に分かれる県内だが、サクラの開花は地域のよって1カ月以上のタイムラグがある。ある意味では県内にいて1カ月以上も桜見を楽しめるわけだ。ぜいたくと言えば、その通りぜいたくかも知れない。それで県内のサクラスポット情報をよくよく見れば、原発事故で立ち入りが制限されている大熊町や双葉町、富岡町のスポットは含まれていない。
 
▼これらの町は原発事故によって失われた地だ。年に一度の桜見さえも奪われた。桜の下での桜見は半世紀以上も望めそうにもない。そういえば、坂口安吾の短編小説「桜の森の満開の下」を思い起こす。「桜の林の花の下に人の姿がなければ怖しいばかりです」というくだりがある。美女をめぐる人殺しのオドロオドロした話だが、今の時代はサクラが素敵な花であるかのように言われているのも、昔はどこか恐ろしげな雰囲気をもつものとされていた。
 
▼無念を抱えたままの原発事故による被災地のサクラ。メルトダウンしたオドロオドロした原発と、美しく装うサクラ。これもやりどころのない悲しいストーリーかも知れない。間もなくやってくる春の観光シーズン。インバウンドと言われる訪日観光客が急増する中、福島県は10年比50%減の4万4千人と東北6県で外国人観光客が最も少なかったという。ひと気のない被災地。やはり桜の下には人の姿がなければ怖しいばかりである。【毀誉褒貶】
                             (2016・3・16)

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