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コラム・筆は一本也

「柿食えば」

晩秋から初冬にかけたこの時期、里山の紅葉を眺めれば柿の実が鈴なりとなり、その紅葉を盛り上げている。昭和30〜40年代まではあまり見かけなかった光景だと思うが、今は至るところで目にする。耕作地の荒廃と時を同じくして、今や柿の実も放置されているようだ。農家は高齢化と後継者不足から、柿の収穫までは手が回らないのだろう。幸いに野鳥にとってはありがたい柿のプレゼント。鳥が代わる代わる飛来してついばんでいる。見た目に甘柿なのか渋柿なのかはわからないが、かりに渋柿でも赤く熟しているものもあり、かつて甘柿よりおいしかった記憶がある。
 
▼子どものころ、遊び回っているうちに畑に入り込み、見つけた柿の実を仲間とともによく無断で拝借し、空腹を満たしたことがあった。たまに畑の持ち主に見つかり、しかられたことも何度かあった。戦後の食糧難の一時期だっただけに、子ども心にも真っ赤な柿はとてもありがたい存在だった。しばらくは柿を家族ぐるみで収穫し、夕食を終えた後などにみんなで皮をむき、縄に差し込んで軒先などにつるしていた思い出がある。正月になれば、オヤツやお茶受けとしても重宝がられ、東京や京都に住む叔父らに贈っては何かと喜ばれたものだ。
 
▼アンポ柿の本場でもある福島県伊達市など家々の軒先には、至るところに「柿のカーテン」が見られ、晩秋の風物詩ともなっている。その柿は栄養が豊富に含まれ、「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど栄養価の高い健康食品だ。伊達市から国道349号を通って宮城県丸森町に入ると、農家の軒先や物置小屋には鮮やかなアンポ柿がつり下がっている光景と出会う。本県は原発事故の影響で地域によってはいまだに出荷規制が敷かれているところもある。その規制地域は年々減ってはいるが、それでも風評はなかなかに解消せず、農家泣かせとなっている。
 
▼国や政府は復興予算を増額し、福島県土の原状回復に努めているようだが、耕作地の除染は森林同様にほとんど手付かずの現状。挙げ句の果て、TPP(環太平洋経済連携協定)では国策の基本とすべき農業の衰退につながる合意を受け入れるなど、「農業見捨て論」が見え隠れしている。被災地訪問のたび、パフォーマンスで県産農産物や海産物を試食し、「美味しい」の感想しか口にしない政治家たち。それなのに取ってつけた中身のない「1億総活躍」などと言う。農業の復活なしにまず総活躍はあり得ない現状をしっかり認識すべきだ。【天下無双】
                     (2015・11・16)

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