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コラム・筆は一本也

「崇められ、悪者に」

市街地の中にたまに田畑を見かけることがある。もう40年以上前になるが、東京区内に住んでいたころ、住宅街にも田畑があちこちに点在していたような気がする。戦後の高度経済成長で田園風景は急変し、地方の都市部でも住宅街の真ん中に田畑があったりする。郊外の耕作地も、後継者難などからますます宅地化が進む。田畑は人々から追い払われ、それは激しく衰退する一次産業を思わせる。
 
▼今は耕作地でほとんど見られなく光景のひとつに「十日夜(とうかんや)」がある。旧暦10月10日の夜に稲刈りが終わって山に帰る田の神を送る伝統的な農村部の行事だ。収穫祭のひとつで、福島県など東日本でよく行われている。今は新暦の11月10に行われ、山間部を車で走っていると見かけることがある。田の神の化身とされる案山子(かかし)をまつり、収穫したばかりの米でついたモチやカキ、クリ、穀類を供えて、収穫に感謝し、無病息災を祈る。
 
▼わが家の西側に残っていた唯一の水田もすでにアパートに生まれ変わった。かつては元日や十日夜に家族で田の神を送る光景を毎年見ていた。この土地の持ち主の農家では、長男夫婦が先祖からの畑地を耕し、野菜などの栽培に力を入れている。野菜類の自動販売機も設置するなどして衰退する農業をなんとか守り抜いている、この地域では模範的な後継者夫妻だ。親が亡くなってからは十日夜や元日の祈願の姿は見られなくなったが、それでも地区行事への参加は夫婦で欠かさない。
 
▼ところで、西日本には「亥の子」と呼ばれる行事があるようだ。新暦11月の亥の日に収穫を感謝し、無病息災と子孫の繁栄を祈る行事として伝承される。そのイノシシは火を防ぐ動物とされる。近ごろは里山の崩壊もあって、農作物を食い荒らしたり、原発事故の避難地域で家屋に侵入し、害獣の対象になっている。繁殖力も強いだけに対策には手をこまねいている。悲しいかな、時代によって崇(あが)められたり悪者になったりと。【平々凡々】
                     (2015・11・10)

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