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コラム・筆は一本也

「十日の菊」

日本は国土の約7割が森林だ。先進国の中でも世界第3位の森林大国と言う。そうした森林の紅葉、黄葉の色づきは、全山燃えるような光景とともに世界屈指と言われる。その秋も本番を迎え、里山も日に日に秋色に染まり始めた。郊外の田畑や住宅街に目をやれば、キクやコスモスが辺りの風景に彩りを添えている。福島県二本松市では先週、「幕末維新伝」をテーマにした二本松菊人形が開幕した。今年で61回を数える伝統行事と言うから、拙老と同い年でもある。
 
▼キクは秋や皇室を象徴する日本の代表的な花だが、もともとは中国で誕生している。日本には奈良時代に伝わったらしい。皇室の紋章のほか、50円硬貨の表のデザインもキクの花だ。片や秋桜と書くコスモス。透き通った秋晴れの空に映える野辺の花でもある。こちらは明治時代にメキシコから伝わったと言われ、可憐でしかも丈夫な花が日本人には人気らしい。キクと同じく白色、桃色、紅色ありで、草紅葉に引けを取らない彩りを添えている。
 
▼そのコスモスは花の形がサクラに似ているところから、秋桜の和名がついたとも言う。日本人のサクラ好きもこんなところにも表れている。キクと言えば旧暦9月9日の重陽の節句、いわゆる菊の節句。きょう21日に当たるが、今も菊酒で長寿を祈る風習も息づいている。須賀川市にはキュウリを供え、加持供養を受けたキュウリを持ち帰る夏の行事もあるが、東京・浅草寺で行われる菊供養も同じようなもの。キクを供え、代わりに加持供養を受けたキクを持ち帰る。
 
▼「十日の菊」「六日の菖蒲」という俗語がある。忌み嫌われる俗語でもあるが、重陽の節句や菖蒲の節句の後日のことを戒めのように言い表した言葉という。要するに後の祭り、時機遅れで役に立たないことを意味する。「福島の復興なくして日本の復興はない」などと威勢のいい言葉に躍らされ、被災地の辺りを見渡せば4年前とあいも変わらぬ光景が広漠と広がる。「新三本の矢」「一億総活躍」などと言われても釈然としない。「十日の菊」でないことを願う。【平々凡々】
                 (2015・10・21)

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