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コラム・筆は一本也

「役に立たぬアンテナ」

かつて駆け出し記者だったころ、「アンテナはいつも高く持った方がいい」とアドバイスされたことがあった。会社なりにどっぷりと浸かった人間でもアンテナを高く持てたかどうかは種々異論があるだろが、ともかく外からの情報は得にくい面があるだろう。視野狭窄に意外と陥るような気がする。幕末の戊辰戦争でまさかの朝敵とされた会津藩。恭順忠臣を絵に描いたような東北の雄藩だが、先行き不透明な幕末にあってアンテナを高く持ち、情報をどうキャッチしていたかどうかは歴史家の研究を待つよりほかはない。
 
▼官軍の猛攻撃で敗退した白虎隊の少年たちが飯盛山で自刃したのは旧暦8月23日。新暦ではあす5日。会津若松市郊外にある飯盛山の自刃の地には隊士の霊をまつる墓地があり、例年墓前祭が執り行われる。絶え間なく香の煙が漂い、観光客の姿も途絶えない。会津鶴ケ城が落城したのは少年たちの自刃からひと月後の旧暦9月22日だった。鳥羽伏見の戦いで敗れた会津藩は急きょ軍制を改め、白虎隊のほかに朱雀隊、青竜隊、50歳以上が対象の玄武隊に各編成している。さらに身分別に隊を構成したらしい。
 
▼白虎隊の士中二番隊は奮戦するも退却を余儀なくされ、指揮官とはぐれて飯盛山にたどり着いたのは42人のうちわずか17人だった。城下に上がる火炎を城が燃えているものと思い込み、落城する城と運命を共にする。年齢は16~17歳。激戦で疲労困憊し、極限状態にあった隊士は「生き恥をさらしたくない」と切腹を決めたと言われている。先月の会津秋祭り藩公行列では、白虎隊士や娘子軍に扮した高校生らが藩公に続いて市内を練り歩き、その光景に目頭を押さえるお年寄りらもいた。140数年を経てもいまだ恩讐は消え去らないのかもしれない。
 
▼会津藩の藩主・松平容保は悲運の将だった。京都守護職として孝明天皇と将軍・徳川慶喜を護衛し、薩摩・長州と戦い、挙げ句の果ては朝敵にさせられた。将軍が大政奉還に踏み切ったのが要因だが、今の政界や企業でもこういった裏切り行為はけっして珍しくない。君子豹変と言うが、本音で通じ合える上司や同僚、友は意外と少ないのがこの世の習いかも知れない。白虎隊と並んで二本松少年隊も忘れられない。官軍の将に「戊辰に戦いで一番の激戦地だった」と言わせたのが少年隊らとの戦いだった。
 
▼二本松・大壇口の戦いで憤死したのは12~17歳の少年たち。二本松藩では「入れ年」として歳を2歳さば読むのが黙認されており、今なら小学6年生、中学1年生が地獄の戦場に出たようなもの。14人の子が戦死した。さて、安全保障関連法の成立で着々と進められる戦闘準備だが、安倍首相によれば要は平和のための戦闘態勢であり、しかも徴兵制などというものは絶対にあり得ないと強弁する。何やら自衛隊員をどんどん増やせる算段でもあるのだろうか。あればシュミレーションなり、データを見せてほしい。それこそ正真正銘の君子豹変か。【公明正大】
                     (2015・10・4)

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