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コラム・筆は一本也

「風評被害の次は」

戦争で焼け野原となった日本が復興を遂げたのが、「産業のコメ」と呼ばれる鉄の復活だった。そしてコメを中心にした食糧増産も盛んに行われた。昭和40年代まで国策の基本と言われた農業が今、危機を迎えている。稲穂のイメージから「瑞穂の国」という美称がつく日本だが、その支え手となる農家人口が急減、未耕作地が急増しているのが現実だ。全国3位の県土面積を持つ福島県。約7割を山林原野が占め、耕地面積は全国7位という農業県でもある。販売農家数は7万戸、水稲収穫量は約38万㌧とそれぞれ全国上位を誇る。
 
▼しかし、高齢化と後継者難で農家人口は年々減り、同時に耕作放棄地が増え続けている。5年ごとの農林業センサス(概数値)では、2010(平成22)年の県内の耕作放棄地面積は2万2395㌶で、05年の前回調査の確定値2万1708㌶から687㌶増え、4期連続で全国最大となった。都市部なら宅地転用して売却すれば収入の道もあるが、山間部は情け容赦ない耕作放棄の現実が待ち受ける。そうした現状を反映してか、県民一人当たりの所得は約230万円と全国42位にとどまる。観光誘客に使われる「福の島」のフレーズも何故か虚しく響く。
 
▼全国的に増え続ける耕作放棄地に狙いを定めたわけではないだろうが、政府の規制改革会議が安倍首相に答申した内容は非情そのものだ。耕作放棄地に課税を強化するという。確かに農地の固定資産税は低く抑えられてはいるが、その狙いは農地集約による大規模化が目的のようである。これでTPP交渉も加速し、集団的自衛権とともに米国への依存はかつてなく広がる。耕作放棄地の課税強化をめぐって安倍首相は「スピード感を持って提言を実行する」と話しており、まさに瑞穂の国は崖っぷちに立たされている。
 
▼農業の大規模化によって企業化も一段と進み、高齢者が腰を曲げながら畑作業に取り組む姿も少なくなりそうだ。果して良いことなのか、あるいはそうではないのか。数年もすれば答えが出そうだ。今の時点で言えることは、高齢化で後継者もいない農家の放棄地に課税を強化するのは、まさしく年寄り、農家イジメである。人の痛みがわからないリーダーは企業においても、国においても迷惑この上ない。福島の農産物が風評被害に遭う中、今度はどんな被害に遭うのか。【天下無双】
               (2015・6・24)

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