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コラム・筆は一本也

「何はともあれ一服」

今年のゴールデンウイーク(GW)は全国的に晴天続きのようだ。そのGWもいよいよ本番。福島県内は奥会津地方の一部を除けば華やかなサクラの節も終わり、今度はすがすがしい若葉の季節を迎えた。そんな中で迎えた観光シーズン。GWとふくしまディスティネーションキャンペーン(DC)が重なった本県も、好天に誘われて大勢の観光客が繰り出し、先月の花見以来の交通ラッシュとなりそう。さて、きょう2日は八十八夜。そして連休最終の6日は立夏を迎える。八十八夜は立春から数えて88日目にあたり、わが国独特の節目でもある。
 
▼この時節、田植えシーズンとともに忙しい農家にとっては「八十八夜の毒霜」と形容される遅霜によって農作物が襲われることがある。八十八夜となれば、のどかな光景の茶摘み。福島県内には茶畑はなく、静岡県の風物詩を思い出しながら「夏も近づく八十八夜…」の唱歌に想いをめぐらす。「茶摘み歌」は作詞家、作曲家ともに不詳だが、二番には「摘めよ摘め摘め 摘まねばならぬ 摘まにゃ日本の茶にならぬ」と勇ましい文言もある。手作業で家族総出での茶摘みの光景は、何故か日本晴れと時代劇・清水次郎長を思い出す。
 
▼茶店や百貨店、スーパーなどのお茶コーナーには、「新茶」のレッテルが張られた産地自慢の新茶がズラリと並ぶ。新茶は別名「長寿のお茶」とも言われ、縁起物としても重宝される。近ごろは輸出が伸びているようで、健康志向が呼び水となっているらしい。日本茶カフェも人気らしく、これからのカフェはコーヒー、紅茶、日本茶と愉しみが増えそうだ。仕事人間を脱して、いつかはのんびりとカフェめぐりをしたいものだーと、そんなことを思いながらも何かビジネスチャンスにならないかと考える仕事人間でもある。
 
▼6日は立夏。一番春らしいころで、これからは暑い夏へと向かう。ところで、今年のGWは八十八夜の2日が土曜日、3日から立夏の6日までは4連休。なかには2日から10日の日曜日まで9連休という企業や、4月29日の「昭和の日」から12連休という大企業もあると聞く。春闘のベースアップに加えて何ともうらやましい限りだ。長期休暇を利用した海外旅行も多いらしい。そうした中で、いずこの観光地も絶好のかき入れ時。一福島県民としても風評払拭に努め、リピーターをつくるための観光を大いにアピールしたいものだ。【天下泰平】
                 (2015・5・2)

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