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コラム・筆は一本也

「新たな十五の春」

「何故、20歳から大人なの?」。子どもにこう聞かれ、すぐさま答えられずに窮した親も多いのではないだろうか。今はインターネットの情報から簡単に引き出せ、その意味では便利な世の中である。モノのインターネット(Internet of Things:IoT)に代表されるように、ネットは家や車、家電製品のテレビなどあらゆる生活のモノと結びつき、ますます便利に進化するらしい。ところで20歳の話だが、ネットで引くと、あるアンサーに「結婚すれば16歳でも民法では成年」と出る。
 
▼20歳成人は一つの法律で決まっていて、他の法律だといろいろケースバイケースという。ちなみに遺言は15歳から有効とのこと。その「十五の春」だが、中学3年生にとってはありがたくない試練の季節かもしれない。福島県内の私立高校や公立中学校の一部でも、年明け早々から推薦入試などが始まり、実戦モードに突入した。首都圏では長らく都立高の人気低迷が続き、有名私立高への志願が多いという。最近は福島県内でも大学進学で大学の付属高を選択する傾向があり、こちらの方がむしろ難関らしい。「一芸入試」も増え、部活歴などを武器に難関を突破する受験生もいる。
 
▼受験と言えば、受験の神様「天神様」がよく知られる。あがめ祭られているのが菅原道真公。命日が2月25日と受験シーズンに重なることや、「文章博士」(もんじょうはかせ)と呼ばれた学者であることに起因しているようだ。初詣に神社仏閣を参拝して目に付くのが絵馬。やはり北野天神に奉納されたのが始まりらしく、馬だけでなくいろいろな動物や風景も登場する。受験生が奉納するのは「小絵馬」と呼ばれ、合格祈願とともに希望の高校、大学名がよく書いてある。そんな願い事の絵馬を奉納するようになったのは平安時代ごろからという。
 
▼福島県沿岸の双葉郡8町村の小中学校では、原発事故の影響で現在も避難が続いている。現在、休校中が6校、他施設へ移動や仮設校舎で授業を行っている学校が45校、高校はサテライト校として県内各地8校に分散しているという。そうした中、今春には双葉郡内の広野町に新設の中高一貫校「ふたば未来学園高等学校」が開校する。新たなフクシマの復興へ向けた人材を育て、羽ばたいてもらおうという狙いだが、年少時に大震災・原発事故を経験した若者たちのチャレンジの第一歩が始まろうとしている。【天下泰平】
                   (2014・1・12)

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