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コラム・筆は一本也

「故郷に帰るサケ」

日本の食卓に秋の味覚サンマは欠かせないが、秋サバや秋サケもおなじみの魚だ。好みは各人各様だが、秋サケはクセもなく美味しい。産卵のために川に戻る鮭は新巻鮭にされるが、卵もまた格別。いわゆるイクラだが、どんぶりもので重宝される。秋鮭漁と言えば福島県楢葉町の木戸川が全国的にも有名だ。今でこそ福島第一原発事故の影響で本格的な漁もできず、放射性物質測定のための漁にとどまっているが、地元漁協は来年秋の再開に向けてふ化場や加工場などの復旧整備を急いでいる。
 
▼漁協によると、震災・原発事故前は毎年約7万匹のサケの水揚げがあったとされ、本州では有数を誇っていたという。遡上がピークとなった10月末には80㌢ほどに成長したサケがどんどん遡上しており、関係者の表情にも笑顔が戻っている。今年は千匹前後の水揚げを見込むが、徹底した放射性物質の検査を継続実施し、一年後の本格操業に備えるという。今年遡上しているのは震災直前の3月に放流した稚魚が成魚になって木戸川に戻る年にあたる。
 
▼何故、サケが生まれ故郷の川に戻ってくるのか。考えられているのが、生まれた川の水の臭いだそうである。川にはそれぞれ異なる臭いがあり、サケの鼻孔に栓をすると迷い続けた挙げ句、生まれ故郷の川には戻って来ないという研究もある。それでも目隠しをしてもしっかりとふるさとに戻って来るというからあらためて驚く。サケにとって生まれ故郷の臭いはそれ以上に大切なようだ。人とて、同じかも知れない。
 
▼沿岸部で福島第二原発のある楢葉町は、ほぼ全域が避難指示解除準備区域。生まれ故郷を追われて異郷での慣れない暮らしを余儀なくされている町民が大半だ。人も故郷の景色や空気、その風土特有の香りが忘れられない。見えず、色もなく、もちろん臭いのない放射能の汚染で帰郷することもままならないが、サケが人よりひと足早く生まれ故郷に帰ってくる。そんなことも意に介さない師走選挙は花盛り。マスコミ各社の衆院選情勢では、自民が300議席をうかがう勢いと言う。【天下泰平】
                  (2014・12・4)

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