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コラム・筆は一本也

「帰省と復興ツアー」

月遅れのお盆が始まった。もともとは旧暦7月15日前後の行事だが、今は新暦8月13日から16日にかけて執り行う地域が多いようだ。都市部から地方への帰省ラッシュのピークもひと段落し、故郷で寸暇を楽しむ家族連れも目立つ。なかには海外旅行でお盆の休暇を過ごす人たちもいて、昔の人からみれば何とも寂しい光景に映るらしい。そのお盆は、盂蘭盆会(うらぼんえ)が正式な呼び名だが、福島県などでは13日夕に迎え火を焚いて祖先の霊を導き、15日夜か16日朝に送り火を焚いて霊を送る。精霊馬の乗り物を作り、送り迎えする地域もある。キュウリの馬は早く帰れるよう、ナスの牛はゆっくり帰れるようにとの思いが込められている。
 
▼送り迎えの行事は、かつては近くの河川に流されていたが、今は河川の浄化から橋のたもとに置き場を設けるのが習わしのようだ。精霊流しにちなんだ灯籠流しや花火大会の行事も多く、なかでも福島、いわき市や田村市船引、柳津、猪苗代町などではとりわけにぎわいを見せる。もちろん、灯籠は下流まで流されないようにと網を張ったりして回収する。数年前、田村市船引の灯籠流しを見物に出かけたが、水量が少ないことに加え、大型の灯籠が引かれながら下ってきたのには驚いた。背後の小高い山からは花火が打ち上げられ、川風も涼しく去りゆく夏を実感した。
 
▼さて、今年は福島市の県庁裏手の阿武隈川(通称・隈畔)での流灯・花火大会を見に行くことにした。拙宅からは自転車で10分足らずで、渋滞も気にせずに楽しめるのが何よりもいい。帰省の家族連れも多く見られ、関東、関西に住む人たちも混じり、楽しい光景に浸ることができる。何といっても京都・東山浄土寺の精霊送り「大文字五山送り火」はスケールが大きい。祇園祭と共に京都の夏の風物詩で毎年16日夜に行われ、新聞、テレビのニュースではおなじみだ。少年時代、亡き母の弟が西陣織の職人だったころに連れていってもらったことが花火好きになった端緒かも知れない。
 
▼この夏もお盆休みを利用したボランティアたちの復興ツアーは盛んだ。福島県産の野菜のおいしさを県外の人たちにも伝えようと、このほどいわき市の高校生らが地元の農家と協力したバスツアーを企画した。ほかにも多くの団体が福島県をサポートし、原発事故後の風評被害に遭う被災地・福島を応援してくれている。そうした支援に何とか応えようと頑張っている県民も多いはず。ただ、それを補助金頼りの単なるイベントで終わらせている傾向に情けなる思いもある。祭りは地域活性と伝統文化を育むが、一過性の復興イベントはとてもそうは思えない。【天下泰平】
                  (2014・8・13)

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