自然エネルギー（再生可能エネルギー）社会の可能性を探るドキュメンタリー映画上映会とパネルディスカッションが１４日、郡山市の県農業総合センターで開かれる。一般社団法人ソーシャル・デザイン主催、県などの後援。

　「第４の革命－エネルギー・デモクラシー－上映会ｉｎ福島」～自然エネルギー社会の実現可能性について考える～と題し、東日本大震災、福島原発事故以降の福島県の将来像と再生可能エネルギーへの転換を軸に討論する。

　「第４の革命」は地域分散型の自然エネルギーを指し、農業、産業、情報分野に次ぐ２１世紀の社会革命ともいわれる。主催者によると、世界の総発電量は２０１０年末、太陽光、バイオマス、風力の各発電量が原子力発電量を超えている状況にあるという。

こうした中、世界を震撼させた福島原発事故以降、ドイツは世界に先駆けて「脱原発」を決定。エネルギー事情の違いはあるにしても、「当事者の日本が出来なかったことを、なぜドイツは早々と実現できたのだろうか」と主催者は問い掛ける。

　ドイツを「脱原発」へと導く端緒となったのが、今回上映されるドキュメンタリー映画「第４の革命－エネルギー・デモクラシー－」。２０１０年にドイツ全土で上映され、異例の１３万人の観客を動員。「３・１１」後はテレビ放映で２００万人が視聴し、一気にエネルギーシフトを決断させる要因になったとされる。わが国では、４７都道府県で一斉上映される。

　パネルディスカッションには、自然エネルギーの専門家、バイオマスエネルギー発電を活用する企業経営者、小水力発電所を稼働させる団体関係者、自然エネルギー活用を進める自治体の首長、除染技術を開発する企業経営者の４人のパネラーが参加。自然エネルギーによる電力自給システム実現に向けた具体的方策と採算性を議論する。

　▽日時・場所：１月１４日（土）午後２時～５時、福島県農業総合センター（郡山市日和田町高倉字下中道１１６、電話０２４－９５８－１７００）

　▽参加費：１８００円（１人）

　▽主催：ソーシャル・デザイン（電話０３－６２２８－１２９５）

　◇映画「第４の革命－エネルギー・デモクラシー」上映

　◇パネルディスカッション

▽テーマ：「自然エネルギーにより電力自給を実現するための具体策」

▽コーディネーター：浅岡伴夫（あさおか・ともお）＝先端技術アナリスト、自然エネルギー活用アドバイザー、中央大・成蹊大講師、柳韓大（韓国）客員教授

▽パネリスト：岡部光徳（おかべ・みつのり）＝古殿町長。２００９年２月に「古殿町地域新エネルギービジョン」を策定、２０１１年９月にバイオマス・太陽光・水力発電を軸とする再生可能エネルギーによる発電推進プロジェクトをスタート

▽パネリスト：伊藤信悦（いとう・のぶよし）＝宮盛専務。２００４年に自社で発生するバイオマス（木材チップ）を活用する「発電＆蒸気による木材乾燥システム」を導入。効率的な経営と環境対策の両立に取り組む

▽パネリスト：星野恵美子（ほしの・えみこ）＝栃木県那須野ヶ原土地改良区連合事務局長、ダム水路主任技術者、福島県再生エネルギー推進連絡会委員・専門部会委員。現在、那須野ヶ原で７基の小水力発電機を稼働

▽パネリスト：大内正年（おおうち・まさとし）＝郡山チップ工業社長。産業技術総合研究所などとともにバイオマス発電所の燃料の除染技術開発を手掛ける

　【写真：小水力発電の水車㊤と、開成学園に設置されている太陽光発電パネル】