佳境に入った大河ドラマ「江～姫たちの戦国～」の舞台・滋賀県。登場人物ゆかりの地、滋賀県では今年、浅井三姉妹をテーマにした博覧会や戦国武将にまつわる多彩なイベントが繰り広げられている。
   地元の観光パンフレットによると、長浜、米原、彦根、近江八幡、高島、大津のそれぞれ趣の異なる６エリア（市）をめぐれば、滋賀の歴史と奥深さに触れることができるという。日本一大きい湖・琵琶湖を県央に抱き、豊かな自然と深い歴史に彩られた湖国・近江。４月半ば、「江」のふるさとを訪ねた。
　長浜では、大河ドラマにちなんだ「江・浅井三姉妹博覧会」が開かれ、歴史探訪には楽しみなエリア。レトロな街並みにショップが集まる黒壁スクエアは若い女性らに人気だ。中山道と北国街道の拠点であった米原はかつての宿場町。滋賀の玄関口として、今も交通の要衝となっている。
　キャラクター「ひこにゃん」が話題となった彦根。国宝・彦根城と江戸時代の城下町を再現した夢京橋キャッスルロードが観光の目玉だ。近江八幡は八幡堀を中心に風情ある白壁土蔵が立ち並ぶ、近江商人発祥の地。水郷めぐりも楽しみのひとつ。高島はブナの原生林や棚田など、比良山麓の大自然が満喫できる。夏は大勢の湖水浴客でにぎわう。
　大津は比叡山延暦寺や石山寺、三井寺など由緒ある寺院が集まる県庁所在地。湖上遊覧のミシガンクルーズも楽しめる。京都市と接し、電車で１０分足らずの距離だ。
　博覧会は大河ドラマ５０作を記念し、幕末の大老・井伊直弼の生涯を描いた第１作「花の生涯」から５０作目の「江」に至るその歴史を紹介。ドラマ「江」の映像と豪華衣装、写真、パネルなどを紹介した「浅井・江のドラマ館」、小谷城跡を会場にした「小谷・江のふるさとの館」も見どころ。１２月４日まで。
　戦国の歴史をたどるコースもおすすめだ。羽柴秀吉と柴田勝家が戦った賤ヶ岳古戦場、浅井・朝倉軍と織田・徳川軍の壮絶な合戦となった姉川古戦場、さらに浅井氏三代の居城・小谷城をめぐり、博覧会場へ。石田三成と京極家ゆかりの地や織田信長の安土城跡、豊臣秀次の八幡山城跡もおすすめ。湖南・湖西の歴史スポットでは、三井寺観音堂、大津城跡や伝教大使最澄が開山した天台宗の総本山・比叡山延暦寺も訪ねてみたい。
　そして彦根では、彦根城のほか、彦根城博物館、江戸の雰囲気漂う食事処や土産店が軒を連ねる夢京橋キャッスルロードも楽しみ。ほかにも長浜城歴史博物館、県立近代美術館、県立琵琶湖博物館、近江商人博物館、甲賀の里忍術村、甲賀流忍者屋敷など、見どころはいっぱい。
　特産品も盛りだくさんだ。食通にはこたえられない霜降りの近江牛、鮒すし、それに鴨料理、焼き鯖（さば）そうめんなどなど。１２００年前から栽培されているという近江茶、近江の郷土料理・えび豆も。お土産には「ひこにゃん」グッズ、近江扇子、タヌキの置物で有名な信楽焼、絣（かすり）模様が特徴の近江上布が喜ばれそう。

　【福島県被災者の支援にあたる滋賀県】　滋賀県は京都府と福井、岐阜、三重各県と接し、周囲を伊吹、鈴鹿、比叡、比良など１０００㍍を超える山々に囲まれている。福島県の約３分の１の面積だが、自然公園の県土に占める割合は全国一だ。県の花は福島県と同じシャクナゲ。今回の東日本大震災では、滋賀県からも大勢のボランティアが福島県入りし、被災者の救護、支援にあたってきた。

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