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コラム・筆は一本也

「戻れるなら戻りたい」

春の雨がすべての穀物を潤すという意味の「穀雨」。きょうは春の最後の節気、穀雨だった。あすは全国的な雨降りとなりそうだが、穀雨であればちょうど風情ぴったしだった。たまには百穀を潤す雨に感謝し、春の草花をめでたいものだ。「雨は花の父母」などとも呼ばれるありがたい存在でもある。時雨は冬の季語だが、降ったり止んだりするさまは春時雨ともいう。精いっぱい気取って、「春雨じゃ濡れて行こう」と月形半平太のように小雨の中を傘なしで歩いてみたい気分になる。舞妓と連れ立って…。さて、夢想はそのくらいにして。
 
▼春眠。畑を耕すトラクターのエンジン音で目が覚める。福島市のシンボル・吾妻連峰を見やれば、吾妻小富士の「種まきうさぎ」もようやく形が整ってきた。この地方の農家は、今でも種まきうさぎを観察しながら農作業を本格化させる。ところで、吾妻山の種まきうさぎを「雪うさぎ」と呼んで盛り上げるイベントが行われるそうな。若い世代には雪うさぎの呼称の方が受けるのだろうが、ここは古くから伝わる呼び名を継承すべきではないかと思う。呼び名は時代によって変わるものだが、こだわるのは筆者一人だけだろうか。まして、民間放送局の絡んだイベントでも雪うさぎを使用しているのもいささか情けない。
 
▼吾妻山の雪形(ゆきがた)は、春の残雪がうさぎの種まき姿に似ていることから風物詩として定着。山梨県富士吉田市側の富士山8合目付近に現れる「農鳥」もつとに有名で、現れたのを待って田植えが本格化する。雪解けの進み方によって早かったり遅かったりもするが、7年前の平成19年は6月にずれ込んでいる。福島県内では八十八夜あたりから田植えが本格化する。今年の八十八夜は、立春から数えてゴールデンウイーク中日の5月2日になる。
 
▼八十八は米の文字でもある。八十八夜の別れ霜の言葉通りに、遅霜の心配もなくなるため米をはじめ穀物の種まきが本格化する。「夏も近づく八十八夜 野にも山にもわかばが茂る」の唱歌「茶摘み」を口ずさめば、間もなく新茶も味わえる。タマネギ、ジャガイモ、キャベツにも「新」の文字がついたものが並び、すれば自然と体も躍動し、若葉の季節を存分に謳歌できる。今から半世紀ほど前、帰省した家族や隣近所の人たちが集まり田植えを手伝っていた。あの時代の光景と青葉茂れる福島の風景が妙に懐かしい。戻れるなら戻りたいと、切に思う。【春眠夢想】
                  (2014・4・20)

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