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コラム・筆は一本也

「分断との闘い」

福島県田村市都路地区。浜通りに程近い、阿武隈山系ののどかな純農村地帯だ。合併前は田村郡都路村と言った。その都路地区東部が4月1日、県内11市町村で初めて避難区域の指定が解除された。東京電力福島第一原発の爆発事故により避難生活を余儀なくされていた地区民だが、3年余を経てやっと帰還がかなった。しかし、インフラ整備が遅れ、空間放射線量も高い地域が点在するなど、若年層で帰還する人は少ない。
 
▼帰還が実現しても、避難者の気持ちは複雑。喜びを表す人、不満を持つ人と、それぞれ悲喜こもごもだ。ともかく原発事故前の故郷とは明らかに違う。復旧、復興が帰還を促進する上での大きな課題なのは当然だが、はたして復旧、復興がどこまで進めばよいのか判断の基準は分かれる。都路地区は国直轄の除染が完了したことで、放射線量は低減している。だが、周囲を取り囲んでいる山林の除染は手付かずの状態。大雨や突風などで線量が高まることも予想される。
 
▼避難指示が解除され、テレビニュースや新聞報道を見る限り、歓声と笑顔があふれていたようだ。仮設住宅や借り上げ住宅で3年余を過ごし、故郷に戻った人たちの喜びはこの上だったに違いない。
帰還を拒否する避難者の声が取り上げられていなかったことにはがっかりした。そんな中、都路地区の中の帰還困難区域の実情を伝えていたテレビ局もあった。ある畜産農家が、生活費を稼ぐ手立てもないまま避難生活を続け、荒れ放題のふるさとを思って夫婦で涙していた様子をリポートしていた。
 
▼「帰れる人たちは幸せだなぁ。オレだって村に帰れたら、また肉牛を育てたいよ」。心情を吐露した畜産農家の言葉が胸に刺さった。住民の分断を招いてはならない。それこそ、一刻も早く帰還を進めたい国、政府の思うつぼだ。被災者にもちろん過失も責任もない。国の役人や中央の政治家に遠慮することもない。みんなが一致結束して闘うべきだし、自らの生存権を主張してとことん闘ってほしい。これからはそうした応援、支援も必要だ。【天下無双】
                     (2014・4・8)

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