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サークル写団「北斗」が作品展 被災地の惨状や祭礼の写真展示

福島市などの写真愛好家でつくるサークル写団「北斗」(徳江昇代表)の作品展が2月26日まで福島市のAOZで開かれている。
 2010(平成22)年の設立時から8回目の作品展で、服部良之さん、鈴木俊博さん、徳江昇さん、本多健一さん、渡部幸一さんの作品50点を展示。
 被災地の沿岸部で撮影した服部さんの「神話崩壊」や、鈴木さんの請戸安波祭「晴れ姿」、徳江さんのなごり雪「冬戻り」などが来館者たちを魅了している。
 サークル名の写団「北斗」は、冬空に輝く北斗七星、“7人の侍”をめざした集団として名付けた。昨年、81歳で亡くなった主宰者の松浦松風さんらによって4年前に設立した。
  【期間】 2月22日~26日
  【会場】 福島市AOZ・MAXふくしま4階

 
 
 【寄稿】

    事務局・宍戸良之さん

 松浦先生は教員時代に蔵王の樹氷、猪苗代湖のしぶき氷を撮り続け、中央でも名をはせた方。東京都内のギャラリーで個展を数多く開き、写真雑誌「アサヒカメラ」にも多く寄稿され、コダック社のコマーシャルにもその写真作品が採用されました。先生がFTVのカルチャースクールで写真講座の先生をしていた時の師弟関係がサークルの結成の経緯です。
 北斗の名前の意味ですが、北の福島に輝く星になろうということで北斗七星にちなんで命名しました。メンバー7名が一堂にそろうことは叶いませんでしたが、現在も会員を募集中です。
 通常の写真展はよく出来た写真を何点か出展するというのが一般的ですが、北斗の写真展は1テーマ10枚の作品でテーマの内容を説明する組み写真の個展でもあります。これも松浦先生の意志で、一つのテーマを1枚の写真で説明できるものではないという考えからです。それゆえに、難しさからメンバーが集まりにくい面もありますが、さらに作品展を年2回開催しますので、プレッシャーも相当にあります。それだけに、やりがいのある作品展にもなっています。
 さて、今回の作品ですが、鈴木俊博さんの作品は2010年に行われた浪江町・請戸地区の安波祭の様子を撮影した作品です。当時の祭りの参加者の生き生きとした姿があり、この人たちは今は元気にされているのだろうか、そしてこの祭りが復活することへの願いも込められています。
 そして私、宍戸の作品ですが、昨年に双葉、浪江の請戸地区の様子を撮影したもので、2年過ぎても復興の文字が見えない状況、そして失われた地域、家族、絆、漁、安全、学び舎などがもう戻らないことを表現し、今回の震災、原発事故の影響の大きさを伝える作品にしました。
 ほかに3人の作品は、昨年4月の桜の時期に降った雪の中の桜を撮影した「名残り雪」、福島県の紅葉を撮りためた「紅葉を巡る」、川、沼と紅葉をからめた「福島の秋・水風景」です。
 

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