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コラム・筆は一本也

「内なる風評」

福島県産の食品への風当たりが止まない。食品の放射能検査を二重にも三重にもチェックしているにもかかわらずだ。首都圏に限らず、他県の消費者の間では風評が根強いことが、本県の商工団体の調査であらためて浮き彫りにされた。それによると、首都圏の消費者の30%強は福島県産品を買わないと答え、「気にならない」は27%だった。残りの3割はどうなのか。もし、「できれば控えたい」とした場合、全体の6割方が本県産品を避ける傾向にあるということになる。
 
▼それは東京電力福島第一原発の爆発事故による放射性物質の拡散が主因だが、マスコミが連日のように汚染水や耕作地の除染の遅れ、効果の無さなどを報じていることも一つの要因でもある。しかし、マスコミに限らずあらゆる報道、発信、伝達が無いと被害実態は隠されるおそれもある。的確な判断もできなくなる。原発事故後の対応や報道管制などですでに明らかだ。真実も、そしてデマを含む風評も、隠して止めることはできない。
 
▼来年春、福島県の復興を観光で支援する「福島ディスティネーションキャンペーン(DC)」がJRや県、市町村、観光団体をあげたキャンペーンが繰り広げられる。しかし、残念ながら放射能汚染の風評が無くならない限りは観光客の回復は見込めないだろう。県によると、12年に県内の宿泊施設を利用した人の割合は県内の人が35%強でトップだった。宿泊客そのものも原発事故前の90%弱にとどまり、その多くは除染作業員や復旧作業員などで、観光客は少ない。
 
▼温泉街の旅館、ホテルでは「せっかく関西圏などから宿泊の問い合わせがあっても、作業員の常宿となるために断らざるをえない」という。そういえば、昨年秋に「旅館に予約の電話を入れたが、「満室で…」と断られた。地元の観光協会に尋ねたところ、「観光客というより作業員の宿舎になっている旅館が多いようです」との返事が返ってきた。旅館、ホテル側にすれば収入も安定するだろうが、一方で観光キャンペーンでどっと予約が舞い込んだらどうするのかと、考えてしまった。
 
▼他の力を借りての誘客や食品安全のキャンペーンも必要だが、県民自らのひとり一人の発信、伝播力がいかに大切かを痛感する。そして風評被害だが、外からだけはなく、内なる側からも風評を起こしているきらいがある。福島県内のことである。差別ともとれる避難者との間の軋轢、ねたみ、市民同士の足を引っ張る行為などをこの3年、見聞きしてきた。自らを落とし、被害者意識だけで向かうのではなく、福島県人は自らを律しなければならない時だとも思う。その覚悟で、権力や風評をおこす卑怯者には「ならぬものはならぬ」でありたい。【万機公論】
                     (2014・2・15)

 

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