ふくしま復興のためボランティア活動を行っている「Link with ふくしま（リンク・ウィズ・フクシマ）」という団体がある。福島県出身の大学生で組織する、メンバー25人（2011年12月17日現在）足らずの団体だが、彼らはインターネットを通じて閲覧できる文書情報のWEB（ウエブ）を使い、世界に福島の現状を訴えている。

▼震災と原発事故を境に、ふるさとは様相が一変した。学生たちは「福島の状況が海外へはおろか、国内にすら十分に伝わっていない」と訴え、そのために「情報ネットワークを形成し、大きなうねりを起こそう」と行動する。

▼いつの世も若者はフロントランナーだ。枠にとらわれず、社会の変革に理想を掲げるのも若者だ。そんな彼らの呼びかけに、筆者は初め、「よくあること…」と思っていた。しかし、設立趣旨の一文に目をとめた。冒頭、こう書いてあった。「3月11日以降、ふくしまは多くの課題を抱えています。それらは、今回の震災によって新たに生まれたものだけではなく、従来存在していた問題点が顕在化したものも含まれていると考えられます」。

▼だれしも思うに違いない。「なぜ、こうなった」「変えていかなければ」と。旧来からあった問題を明確に気づかせてくれた学生たちを、支援しなければならないような気がして仕方ない年の瀬だったように思う。特別な新年を迎えた。若者たちは40年、50年先、その先まで、「何を変えて実現しなければならないか」を問い続けていくのかもしれない。明確なビジョンを描き、そして問い続けながらも1年1年を刻んでいく。そんな新たな年が始まった。【笑止千万】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（2012・1・2）

　　　　　　　　　　　　　　　◇福島からの発信
　　　　　
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