東日本国際大学(いわき市)は12月7日、考古学者で同大学客員教授の吉村作治さんが講師に迎えた公開授業「人間力の育成」の講演会を開いた。
　テーマは「古代文明から学ぶ人間力」。講演で吉村さんは、人類が地球上で歩んできた背景を「人類の拡散〜人間圏の形成」ととらえ、自然とのかかわりや、文化・文明、宗教、産業まで幅広い観点で話した。
　人間力不足とされる今日、人間力をどのようにかん養、発揮するかも問われるとした。人間力にかかわる中で徳にも触れ、「徳には善徳、悪徳の両面的がある。善徳を実現するには努力が必要で、ひとつ一つ積み上げていく。それが人間力につながる」と強調した。
　市民、学生ら約150人が受講し、人間力を学んだ。
　　　　　　　　　　　
　吉村さんは工学博士。エジプト考古学者として広く知られる。1966年にアジアで初めて早稲田大学エジプト調査隊を組織して現地に赴き、40年以上にわたり発掘調査を行っている。数々の発見で高い国際的評価を受けている。
　東日本国際大では「人のために行動する力」を「人間力」とし、必須科目「人間力の育成」を全15回の授業で行っている。このうち4回は著名人による講演会として市民の公開授業を開いている。
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　４回目となる本年度最終講演会は1月11日、芥川賞作家で僧侶の玄侑宗久さん（三春町）を招いて行われる。演題は未定。
 
 　問い合わせ：東日本国際大学　東洋思想研究所（電話0246‐21‐1662）
　　http://www.shk-ac.jp/study/orient_th_soc/humanitas.html