郡山市の経済人、文化人らでつくる異業種交流団体「MBA21」は10月17日、福島大学の入戸野修学長らを講師に迎えた例会を郡山ビューホテルアネックスで開いた。講演と対談を通し、復興における福島大のかかわりを考えた。
　対談は入戸野修学長、品川萬里市長、大槻順一郡山商工会議所顧問が「福島大学に望むこと」と題して意見を交わした。この中で、福島大に農学部を開設することや、大学院大学の誘致などが提案された。
　品川市長は「理系、文系というくくりを見直す時期にきているのではないか」とし、生命科学部（農学部）の開設や農業経済学の重要性を説いた。
　大槻顧問は大学院大学に誘致に触れ、「まずは建設費用をどう賄うか」として現実問題を提起。さらに「（経済都市の）郡山市に福島大の経済学類が開設されるよう願う」と要望した。
　入戸野学長は「（原発事故を機に）放射線に関する専門窓口が必要になっている。福島大に環境放射能の先端研究拠点を整備していきたい」と述べた。
　福島大は、世界の研究機関と連携し放射性物質の除染に役立つ研究拠点「環境放射能研究所」を構内に設置する方針を示している。国の予算措置を踏まえて開設する見込み。
　対談に先立ち、入戸野学長は「福島復興に向けた福島大学の現状と大学の使命」と題して講演した。