インターネットで人と人をつなげるソーシャル・ネットワーキング・サービス（SNS）が急速に広まる中、ソーシャルメディアを活用する市民団体などの活動が福島県でも目立ち始めている。
　福島県央の郡山市を拠点に、昨年12月に立ち上げたNPO法人ウェッブストーリーが主催する市民活動講演会が10月10日、市総合福祉センターで開かれた。ソーシャルネットワークに力を入れる郡山市と共催した。
　講師は東海大文学部広報メディア学科教授で行政広報論、地域情報論などが専門の河井孝仁（たかよし）さん。「地域を元気にする情報発信とは～ソーシャルメディアも活用して～」と題して約2時間講演した。
　河井さんは、ソーシャルメディアを社会とつながる人間関係から説明した。人間交際を前提にした情報発信、情報入手、情報交流、情報伝播、プロモーション、褒めるための6つのツールが欠かせないとした。そうした中で地域とのかかわり、地域が持つ震災、原発事故や少子高齢、地域間競争などそれぞれの課題に触れた。
　まず、関心を持ってもらうための惹起（じゃっき）と、関係を基礎にする共感、さらに関心惹起に親和性のあるメディアの活用の大切さなどを話した。
　同時に、受信する、発信する、誘い込む、発火させる、編集するなどの力を持ち合わせた「地域職人（編集者）」も求められるとした。
　行政関係者や市民、民間団体の代表、一般市民ら約80人が受講し、河井さんのアドバイスに地域おこしのヒントを求めていた。
　主催者を代表して品川萬里市長が「行政区域を超えたつながり、ネットワークができるようなボランティア活動が必要」と話し、市民コミュニティーの構築に理解を求めた