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コラム・筆は一本也

「百聞は一見にしかず」

漁師たちの笑顔を久しぶりに見たような気がする。陽気で、豪快で、屈託のない笑い顔がやけにまぶしかった。陸(おか)ではなく、やはり海で何ぼの世界の男たちである。ねじり鉢巻きと、太いしわが刻まれた日焼け顔を見ていると、こちらも元気をもらってしまう。心の底からの笑顔をこれからも見続けたいが、やはり幾つかの不安が脳裏をよぎってしまう。そうした中、福島県沖の試験操業が25日再開した。昨年6月以来の操業開始だ。

▼東京電力福島第一原発の爆発事故による放射性物質の飛散、それに汚染水の流出も加わり、本県沿岸漁業は最悪の事態となった。漁を見送っていた相馬双葉漁協の試験操業がまず再開され、浜は久しぶりに活気を取り戻した。しかし、船の一寸下は地獄という「板子一枚下は地獄」の例えがある。船乗りの仕事が実に危険であることを言い表した例えだが、海の男たちは今、二重の地獄と隣り合わせで暗い海に船出しているような気がする。

▼それでも相馬市の松川浦漁協は久しぶりの操業に活気を呈した。サンプル検査を済ませた新鮮なカニやタコ、イカなどが早速市内のスーパーに並び、待ちかねた消費者は次々と買い求めていた。訪れた主婦は「やっぱり地元の魚はうまいからいい」と太鼓判を押す。片や漁師は、休漁中は船体や漁具の手入れを欠かさずにこの日を待ちわびていた。「エンジン音を聞くと、船も笑っているようだ」と話す言葉からは、深刻な表情よりも笑顔が伝わる。

▼27日は仙台市、28日は東京市場でセリ市に掛けられるが、その評価は漁業関係者ばかりでなく気になるところ。一方、新米の出荷もピークとなるが、昨年まではセリ値も安く、買いたたかれる直取引が常態化していた。これも気がかりだ。エネルギーの供給だけでなく、首都圏の台所を担ってきた福島産品の信頼回復は都会に住む人たちの理解なしには成り立たない。来て、見て、話して、確かめてほしい。「百聞は一見にしかず」である。【天下泰平】
                                                                                                             (2013・9・27)

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