美術家で歴史研究家でもある七海皓奘（こうそう）さん（71）＝郡山市田村町＝がヨーロッパや中国などを旅してスケッチした「旅の思い出スケッチ展」が9日、同市開成のギャラリー喫茶「ポプラ」で始まった。
　新書「Cosｍic Only －宇宙にたった一つの命－」（歴史春秋社）の出版と、「東北の芥川賞」とも称される「第8回北東文芸賞」の受賞を記念したスケッチ展。還暦の時に開いて以来、11年ぶり約20回目の個展。14日まで。
　今展は4～5年前に描いた色鉛筆画と油彩画合せて約35点を展示。オランダの風車風景やフランス、スペイン、ハンガリー、ドイツ、チェコ、オーストリア、イタリアなど欧州各地を旅して描いた色鉛筆画が中心。鉛筆画の優しいタッチの作品が、喫茶店を訪れた人たちの目に留まり人気を集めている。
　油彩画は北京郊外の情景を描いた作品や、人生120年説を基に描いた「人生の島」など7点を出展。人生の島は、人生の上り下りを山として描いており、還暦の60歳が頂上。上りは10代、20代と刻み、70代からは“下山の思想”として120歳までを描いたユニークな作品。
　スケッチ展は午前10時～午後5時。最終日14日は午後4時まで。展示会場のギャラリーは安積高校裏手の南側。入場無料。
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　七海さんは東京生まれ。戦争のため、3歳の時に郡山市に疎開。小学生のころから絵に親しみ、数多くの賞を受賞。画家を目指して東京芸大を目指したが挫折、電電公社（現NTT）に入社し、仕事の合間を縫って趣味の絵描きに取り組んだ。全国歴史研究会、福島県美術家連盟の会員で、郡山文化協会理事なども務める。義経伝説と静御前に関する研究はライフワーク。義経と静の会（鎌倉）顧問、静ミレニアムの会代表。