サイト内を検索 WWWを検索
HOME > コラム・筆は一本也 > 「さびしきわが家」
コラム・筆は一本也

「さびしきわが家」

お盆を故郷で過ごす人たちの帰省ラッシュが始まった。福島県の高速道や東北新幹線は早くも10日朝から激しい混雑が続いている。先祖の墓参りする家族連れも目立ち、13日の盆の入りを前ににぎやかな古里が戻ってきている。しかし、東京電力福島第一原発の爆発事故で県内外に避難する被災者の多くは墓参りも思うに任せず、同じ県民としても複雑な心境だ。

▼今年から墓参やわが家への宿泊が認められた被災地もあるが、2年半余り空き家となっていた家は荒廃…。徹底した掃除、庭の除草などをしないと、とても住める状況にはない。一時帰宅者も想像を絶する荒廃ぶりに涙を浮かべ、逃げるようにして避難地に戻る姿が何とも痛ましい。年老いた人、幼子にはとても見てほしくない変わりようであり、今さらながら原発事故の恐ろしさ痛感する。

▼明治末の唱歌に「故郷の廃家」という曲がある。「幾年(いくとせ)ふるさと来てみれば 咲く花鳴く鳥 そよぐ風 門辺(かどべ)の小川のささやきも なれにし昔に変わらねど あれたる我が家に住む人 絶えてなく」(1番)。古里の光景は幼少のころと変わらないが、住んでいる人がいなくなったという内容の意だ。今や、小川に足さえ踏み入れられずいる福島の子たちも切ない。

▼汚染された古里のわが家の情景を連想させる唱歌を口ずさめば、悲しさがいっそう募る。古里を追われた被災者が、懐かしのわが家に戻れる日がいつになるのか。気の遠くなるような除染も遅々として進まず、山林原野は手つかずのまま。帰還困難区域は荒れるに任せるしかないありさま。廃家は地区の消滅にもなりかねない。

▼政府は新天地への早期移転を進めるでなし、面倒なことは被災地にゲタを預けた形。本気で移転を考えないと、多くの被災者が仮設住宅のまま不慮の事故を遂げることにもなりかねない。原発事故による被災者は「加害を受けた被害者」であること決して忘れてほしくない。「故郷の廃家」の2番の歌詞に胸が痛くなる。「遊びし友人(ともびと)いまいずこ さびしきふるさとや さびしきわが家や」。【天下無双】
                                 (2013・8・11)

おすすめ情報(PR)

既製服にはない美しいフィット感
誂えのセレクトショップ・佐藤洋服店(本宮市)は、既製服にはないフィット感の美しいシルエットのスーツなどを提供している。ジャケット、オーダースーツ、靴なども取り扱っている。
海産物専門店「おのざき」の通販
全国一律1,000円の送料。届け先1件あたり。クール代・税込み。お買い上げ代金10,000円以上で送料無料。フリーダイヤル0120-024-137。携帯電話からは0246-23-4174
日持ちする「プリザーブドローズ」
にこにこバラ園(須賀川市)は、1年以上持つというプリザーブドローズを発売。バラ園がデザインしたプリザのバラアレンジメント。バラの季節を迎え、特価でのバケツ売りの特売日もあり。ホームページ2,000円〜10,000円台(消費税別)。送料は別途。Tel・Fax0248-72-7834
かに徳の宴会と法要プラン
かに刺し満足コース・かにすき鍋満足コース・かにちり鍋満足コースを用意。2時間飲み放題。無料送迎バス付き(10名様以上)。予約は☎024-931-2188
亀屋食品こだわり豆腐ギフトセット
木綿青ばた豆腐、青ばた寄せ豆腐、ごま豆腐、手あげなどの1500円セット(7品6種)と2000円セット(10品7種)。箱代・氷代込み。送料は別途。電話0248-82-2760・ファックス0248-82-2761

本宮特産・本宮烏骨鶏の酵母卵
ビール酵母で元気に育った烏骨鶏の酵母卵とトローリ酵母卵。熱処理した高品質の飼料をエサに安心・安全に飼育しました。卵黄のみを使って独自開発した酵母卵の卵油もどうぞ。

潮目食堂エブリア店オープン
海産物専門のおのざき(いわき市平鎌田町)は、いわき市鹿島の鹿島ショッピングセンターエブリア内に潮目食堂をオープン。2店目。ボリュームのある海鮮が自慢で、海鮮丼、刺身盛り、焼き魚定食など豊富なメニューを用意。
縫製工場・店舗が営業再開
台風19号による水害で縫製工場・店舗が被災した(株)アルバTOWA(旧東和ユニフォーム・本宮市本宮字舘町2-1)、SATO TAILOR 佐藤洋服店(同)は、ともに営業を再開

おすすめサイト