サイト内を検索 WWWを検索
HOME > コラム・筆は一本也 > 「待ち人を温かく」
コラム・筆は一本也

「待ち人を温かく」

旧盆、年末年始と、人がめっきり少なくなった地方のマチやムラは帰省者で一気ににぎわいを取り戻す。大都会から地方への人口移動。そんな風物詩が長い間続いている。津々浦々、週末にかけては盆踊りがあり、笛や太鼓の音、お囃子(はやし)が短い夏の夜をしばし演出してくれる。ところが、最近はそうした地区の行事に人が集まらず、やぐらを囲む盆踊りの輪が二重三重どころか、ひと回りつなぐのが精いっぱいという。

▼そういえば、以前に住んでいた町内会の秋祭りに子どもを連れて参加したことがあった。秋祭りで山車を引く子どもが少なくなり、世話役らが縁故を頼って郊外などから人を呼び寄せていた。しばらくして、その町内会は神社の秋季例大祭への参加を取りやめていた。少子化、人口減少、さびれる中心市街地の現状は今に始まったことではないが、それにしても日本の原風景が崩れてなくなっていってしまっているような気がする。

▼俳句を詠む際、お盆は秋の季語である。秋とはいえ、残暑の中、家族や兄弟縁者が集い、先祖の霊を迎えて供養する古来よりの習わしは、あくせくと働く日本人に束の間の休息と安らぎを与えてくれる。昭和のころは13日夕刻に迎え火を焚いて先祖の霊を導き、15日夜か16日朝に送り火で霊を送る風景があちこちで見られた。福島県の田村市船引地区や、いわき市の旧町村では、新盆に仏様が迷わぬよう「高灯ろう」を設ける風習もある。

▼人の少ない地域にも束の間のにぎわいが戻る。そんな中、ほほえましい人の出会いにも接することがある。かつての光景となってしまったが、上京間もない社会人や学生が故郷に戻り、友と交わす“福島なまり”と、にわか仕立ての“東京弁”。話し込むうち、着飾った東京弁に福島弁が混ざり合う。そのうちにあれよあれよと、なまり言葉に戻っていくから面白い。これもお盆や年末年始ならではのほのぼのとした光景だ。

▼お盆を迎えるころは、日が暮れるのも早くなり、猛暑、残暑にも秋の気配を感じるようになる。最近は“セミしぐれ”もめっきり少なくなり、逆に赤とんぼが目に留まる。23日は「処暑」。処は、暑さも峠を越すころを指す、止まることの意と聞く。間もなく帰省がピークを迎える。省は、親の安否を気遣う意味もあり、それにあわせて故郷が待ちかねた人を温かく迎え入れる。苦難もなんのその、故郷「ふくしま」はいつまでも温かい。【天下泰平】
                    (2013・8・10)

おすすめ情報(PR)

既製服にはない美しいフィット感
誂えのセレクトショップ・佐藤洋服店(本宮市)は、既製服にはないフィット感の美しいシルエットのスーツなどを提供している。ジャケット、オーダースーツ、靴なども取り扱っている。
海産物専門店「おのざき」の通販
全国一律1,000円の送料。届け先1件あたり。クール代・税込み。お買い上げ代金10,000円以上で送料無料。フリーダイヤル0120-024-137。携帯電話からは0246-23-4174
日持ちする「プリザーブドローズ」
にこにこバラ園(須賀川市)は、1年以上持つというプリザーブドローズを発売。バラ園がデザインしたプリザのバラアレンジメント。バラの季節を迎え、特価でのバケツ売りの特売日もあり。ホームページ2,000円〜10,000円台(消費税別)。送料は別途。Tel・Fax0248-72-7834
かに徳の宴会と法要プラン
かに刺し満足コース・かにすき鍋満足コース・かにちり鍋満足コースを用意。2時間飲み放題。無料送迎バス付き(10名様以上)。予約は☎024-931-2188
亀屋食品こだわり豆腐ギフトセット
木綿青ばた豆腐、青ばた寄せ豆腐、ごま豆腐、手あげなどの1500円セット(7品6種)と2000円セット(10品7種)。箱代・氷代込み。送料は別途。電話0248-82-2760・ファックス0248-82-2761

本宮特産・本宮烏骨鶏の酵母卵
ビール酵母で元気に育った烏骨鶏の酵母卵とトローリ酵母卵。熱処理した高品質の飼料をエサに安心・安全に飼育しました。卵黄のみを使って独自開発した酵母卵の卵油もどうぞ。

潮目食堂エブリア店オープン
海産物専門のおのざき(いわき市平鎌田町)は、いわき市鹿島の鹿島ショッピングセンターエブリア内に潮目食堂をオープン。2店目。ボリュームのある海鮮が自慢で、海鮮丼、刺身盛り、焼き魚定食など豊富なメニューを用意。
縫製工場・店舗が営業再開
台風19号による水害で縫製工場・店舗が被災した(株)アルバTOWA(旧東和ユニフォーム・本宮市本宮字舘町2-1)、SATO TAILOR 佐藤洋服店(同)は、ともに営業を再開

おすすめサイト