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福島からの発信

福島復興へ大学生が動く ビジョンを構築

  県民参加型でふくしまの未来を考える福島復興支援団体「Link withふくしま」(リンク・ウィズふくしま=略称リンふく)の取り組みが、本県出身の大学生らを中心に草の根的な活動として始まっている。

東日本大震災、さらに福島原発事故を境に、ふるさと福島はこれまでの様相が一変。学生たちはこうした現状を憂い、「福島の状況が海外へはおろか、国内にすら十分に伝わっていない」と指摘、そのため「情報ネットワークを形成し、大きなうねりを起こそう」と訴える。

団体の主要メンバーは、代表の菅家元志さん(慶応大大学院)、福島支部長の秋山綾子さん(北里大大学院)、佐藤聡さん(一橋大大学院)、和知新奈さん(福島大大学院)の4人。安積高OB、OGが中心となり、6月に設立した。9月以降、復興を考えるワークショップやミーティングを県内、東京都内で開き、参加者の意見や要望を集約してきた。10月には「日本復興を考える学生会議」(ダイヤモンド社、アメリカン・エクスプレス・インターナショナル社主催)のプレゼンテーションに臨み、栄えある大賞を受賞した。

活動理念に「未来型社会創造地域ふくしま」の実現を掲げ、①課題・ニーズをリアルタイムに可視化する②国内外への情報を発信する③県内外の人・団体・情報・資金をネット上とリアルな場所でリンクすることを申し合わせ、スタートさせた。

具体的には、近く開設予定のウエブ「ふくしまPROJECT(仮称)」と、ブログ「ふくしまNOW!」(http://link-with-fukushima.blogspot.com/)の運営、各種イベント・ワークショップの開催が主な活動の内容だ。また、福島を舞台にしたリサーチプロジェクトも実施に向けて準備中という。

1211日は福島大で参加者約100人を集めた「ふくしま未来ミーティング」を、ふくしま復興支援団体学生ネットワークとの共催で開催した。「震災を経た福島の過去・現在・未来」をテーマに、福島大うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員の佐藤彰彦さん、福島経済研究所副理事長の斎藤博典さん、慶応大大学院教授の前野隆司さんがそれぞれ講演、このあと参加者全員で政策立案へ向けたワークショップを展開した。

複雑、混沌とした現代社会の中で、これからも多くの問題を抱える本県だが、そうした中、次代を担う若者や学生たちが明確なビジョンを持ってふるさとの復興に乗り出している。

  (2011・12・21)

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