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首長に聞く

遠藤雄幸・川内村長 「5年、10年後の新しい村づくり」

川内村長・遠藤雄幸(ゆうこう)

 【略歴】福島大教育学部卒、川内村議、川内村長3期、福島県水源林造林推進協議会長、ふくしま市町村建設支援機構理事、川内村社会福祉協議会長、川内村体育協会長

  ―帰村から1年3カ月余。現在の状況を含めた感想を。

 
 村民にはまず、「戻れる人から戻りましょう」と呼び掛けて帰村宣言した。何とか現場の最前線に役場機能を戻して、状況がどうなっているのか。あるいは、戻るための課題は何なのか。どのようなことをすれば戻れるのか。
こういった点を確認するため、行政機能をまずもとのところに戻そうということが帰村宣言の本旨でもあった。当時、すでに200人から250人の村民が村に戻ってきており、一日も早く行政機能を立ち上げてほしいという思いもあった。他方で、仮設住宅での避難生活で高齢者がかなり体調を崩したり、お亡くなりになる方もいました。
そうした状況を見ていると、低線量被爆のリスクよりも、高齢者にとっては避難している方のほうがむしろリスクが高いのではないかと。そういう思いから、「戻れる人から戻る」という宣言を出した。

 ― 村民の帰還状況は。
 
 実は、帰還にはもう少し時間がかかると考えていたが、予想以上に住民が戻ってきているように思う。今まで数多く住民懇談会を開いてきたが、その中でみんなが一緒に戻ること、また期間を設けて戻るというのがどれくらい難しいかを感じてきた。
 4月1日現在、各行政区長に村民の帰村状況を把握してもらったところ、約半数の住民が徐々ではあるが戻りつつある。
 私は、住民の帰村を進めるために、6つの政策を柱に、「将来の子供たちに誇れる川内村の復興」を目指して取り組んでいる。
 一つ目の柱は「除染の徹底」。二つ目は「生活再建の整備促進」、三つ目は「雇用の場の確保」、四つ目は、「村民の健康管理」、五つ目は「教育環境の充実」、六つ目が「損害賠償の継続要求」である。

 ー 企業誘致による労働人口増の取り組みは。

 
  企業誘致による雇用の場の確保については、復興対策の第一に掲げ、若い人たちは働く場所がない、だから戻れないという声もあった。これまで3社で約100人の雇用が生まれている。そのうち、2社がすでに村内において、40人程度が雇用され、順調に稼働している。今後、準備が整え次第、操業を開始される予定と聞く。
 

 ―農業再生に向けた取り組みは。今春、2年ぶりに稲作も再開し、一方で水耕栽培施設「川内高原農産物栽培工場」も稼働した。

 
 基幹産業である農林業の再開については、新たな農業の方法として完全密封型の野菜工場・水耕栽培を立ち上げた。一つは、なんとか露地栽培の風評被害を払拭する。今回はその前段としての試み。既にスタートし、マックスで雇用も25人程度、最大1日8,000株の生産を目指して進めている。
 しかし、不安もある。露地栽培に本当につながるのか、また、川内村全体の農業や畜産の振興にどうつなげていくかも今後の新たな課題。
 土をつくり、土地を守り、水を守って、里山を育んできたのは農家の人たちだが、今回の原発事故で放射性物質が飛散して降り注いだことは、ただ単に仕事を奪われただけではない。過去から未来まで否定され、生きがいまでも奪われたと思う。
 それでも、今年から水稲の作付けをスタートすることができた。280㌶のうち、約120㌶を作付けすることができた。収穫されたコメについては全袋検査する。その準備をしている最中であり、秋の収穫はおおいに期待しているところ。
 
 ―これからの村づくりについては。
 
 事故から2年4カ月、軸足は間違いなく自立だと思う。そういう中で、「戻る、戻らない」という判断をきちんと尊重して行くということが今後必要。
 また、さまざまなリスクにおいても、個々の判断が重要になってくるのだと思う。悲しいことだが、「3.11」の前と同じ状況にはもう戻れないと思っている。だとするならば、新たな村、新たな地域をつくって行こうと思う。5年、10年後の時代に合った川内村をイメージしながら、新しい村づくりをと考えている。

                                    (2013・7・1)

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