ライフサポートのピースネット「トウエキ」は15、16の両日、大改造ビフォー・アフターでおなじみの匠、瀬野和広さんを招いた住宅セミナーを郡山市のタカラショールームで開いた。
　瀬野さんは東京デザイナー学院スペースデザイン科を卒業後、大手ゼネコンを経て独立、設計アトリエ１級建築士事務所を開設した。いわき市のまちづくりコンクール「いわきの家」設計コンペの大賞、特別賞をはじめ、各地の設計コンペで数多く受賞している。朝日放送ビフォーアフター大賞2012も受賞。
　瀬野さんは「日本の風土、気候を考えると調湿が大切であり日本古来の家造りには学ぶべき点が多い」とし、「夏のしのぎやすさに焦点を合わせた家づくりが行われていた昔は、冬の寒さは我慢していた。現代はオールシーズンの快適さを、建築のしかけにだけ求めており、我慢するという選択がなされていない」と述べた。そのうえで「エネルギー問題が議論される中、機械や電気に頼らないで我慢することもある程度大切なのではないか」と、現代の住環境に疑問を投げかけた。
　また「自然や人との交流を考えた設計が大事である」とも述べ、日本家屋の特長である縁側や大黒柱の効用も語った。
　実際に手がけた住宅を映写で紹介し、木を組むことによってできる空間の素晴らしさや、リフォームの際の有効性、間取りによる人間関係の変化などにも言及した。
　家の調湿・断熱の方法として注目を集めているWB工法の説明もあった。熱感知式形状記憶合金を屋根や床下などに用いて断熱と通気を同時実現する仕組み。実験も行われ、温度変化によって瞬時に開閉するパネルを実際に見てもらった。体験カーでは、透過性気密の部屋と窒息性気密の違いが実感できた。