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コラム・筆は一本也

「自治体の連携を阻むもの」

震災、原発事故以降、人口減少が急速に進む福島県だが、27年後の2040年に本県人口が148万5000人となる推計結果が出た。国立社会保障・人口問題研究所が発表した。少子高齢化に加え、本県はこうした外的要因で人口減は一気に進む見通しだ。4月1日現在、本県の推計人口は194万9595人で、3月1日現在から7116人減。1975(昭和50)年4月1日現在以来、38年ぶりの195万人割れとなった。
 
▼市町村別の現住人口(2013年4月1日現在)を見れば、鏡石町と西郷村を除く57市町村が前月比減。減少マークがずらりと並び、目を覆わんばかりである。この状態で推移すれば震災、原発事故からの復旧、復興などとてもおぼつかなくなる。福島県の深刻な地盤沈下が早晩訪れても不思議ではない。ならば、自治体間の広域連携、効率的な県土形成が早急に求められる。
 
▼ところが、自治体間の連携といっても、国の出先機関や県が設ける各地方振興局単位での枠組みに阻まれ、旧来のしがらみもあって実際は自由な連携などという具合にはいかないのが実情だ。例えば、県央の郡山市は北に本宮市、南に須賀川市と隣接するが、それも上部機関の枠組みに阻まれ、疎通が図れない状況。だが、実際は相互に通勤、通学圏にあり、一大経済圏を形成している。
 
▼震災以降、よく使われた言葉だが、この国はあらゆる意味で「分岐点」である。原発事故の収束で苦悩する本県だけでなく、それぞれの地域が深刻な問題を抱える。さらに日本の人口減少のスピードはかなり速い。2010年の1億2806万人から60年には8674万人に減少し、約半世紀の間に4132万人減る計算だ。福島県も、国も待ったなしなのだが…。【笑止千万】
                  (2013・4・24)

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