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音楽家石河さんが85歳コンサート 音楽活動65年も記念  いわき・1300人が駆けつけ

福島県合唱連盟名誉理事長で合唱指揮者、作曲家の石河清さん(いわき市)の音楽生活65周年を記念した「85才のコンサート」が4月21日、同市の芸術文化交流館アリオスであった。長年にわたって後輩らの音楽指導にあたり、郷里の文化向上ために力を尽くしている石河さん。今回の記念コンサートには市民や音楽関係者ら約1300人が駆け付け、情感あふれるバリトンの「石河節」に感涙した。85歳にして今も現役で音楽活動に励み、青年のようにみずみずしい感性で音楽に打ち込む石河さん。その半生を含めてリポートした。
 
            ◇
 石河さんは、いわ市常磐湯本町生まれ。いわき湯本温泉街に育った。5歳の時に母親を亡くし、芸術好きだった祖母の手で育てられた。そうした影響で、日本大芸術学科映画科に進み、映画監督を目指した。アングラ劇団にも入り、研修を積んだ時期もあった。
 同大を中退し、故郷で中学の先生となったことがきっかけで、戦後間もない1946(昭和21)年に故若松紀志子さんに師事。ピアノと歌の指導を受けるようになった。「人前で初めて歌ったのが『叱られて』だった」と、石河さんは話す。
 その後、東京・豊洲で小学の先生を務めることに。「駐屯地の米軍に頼まれて、生徒たちとクリスマスの教会で歌うことがあり、ごほうびにと学校にピアノが届いたことがあった」と回顧する。この時代、音が外に漏れないようにピアノに布団をかぶせて、熱心に練習したという。
 51年に国立音楽大学に入学し、以来、本格的な音楽の道を歩むようになる。卒業と同時に福島高の教諭となり、栄子さんと出会って結婚。59年に郷里に転勤、翌年に「いわきお母さんコーラス」を結成したのが始まりで、「平FG」なども指導した。
 常磐音楽舞踊学院(現スパリゾートハワイアンのフラガール養成所)で歌唱指導をしたのも石河さんだった。当時の常磐音楽舞踊学院は、クラシックバレエ、ジャズダンスなどの基礎レッスンからフラ、タヒチアン、フラメンコ、マオリダンスなどの民族舞踊のレッスン、さらには声楽、茶道、クラフトなど総合的に教育する学校だった。
 石河さんはよく「something different独創的であること」と話し、「慈悲喜捨」を信条とする。
 音楽指導の中で日ごろから礼節の大切さを説き、生徒たちは「人生の先生」と信望を寄せる。
 石河さんは、再び国立音楽大学専攻科で学び、67年から郡山女子大学短期学部音楽科、75年からはいわき短期大学幼児教育科で教べんをとるようになった。退職後も、いわき市内のコーラス団体「ラビアンローズ」「ラビアンクール」「虹」などの指導にあたる日々だ。「心に響く日本の歌を1000曲歌う会」を立ち上げ、同会での歌唱指導は2000曲を超えた。大学生だったころからのニックネーム「おとうちゃん」の頼もしい風ぼうは変わらず、会員たちからは全幅の信頼を受けている。
 一昨年、最愛の妻栄子さんを失い、これまで二人三脚で歩んできた音楽人生を振り返る毎日となったが、次の目標はすでに決めていた。85歳になったら開くコンサート。ブレスや響き、日本語の表現、音楽性の向上など目標とすることが多くある中で、最もこだわったのが「石河節」の確立だった。「レッスンでソプラノ歌手大倉由紀枝さんにほめられたよ」と、喜ぶ笑顔は青年のようだった。
 
 
 今回のコンサートは65年にわたる音楽生活の集大成。イタリア古典歌曲から「カロ・ミオ・ベン」や「ラルゴ」、日本歌曲では「叱られて」などを情感あふれるバリトンでつややかに歌い上げた。指導する合唱団の歌や、観客とともに音楽に合わせての手遊びもあり、3時間のコンサートはアットホームのうちに成功裏に終わった。観客のひとりは「85歳の経験に裏打ちされた、まさにイシカワワールドの世界。聴いていて涙が出てきました」と話していた。
  石河さんの新たな目標は88歳の「米寿の音楽会」。青年のように高らかに志を掲げ、次の新たな活動を始めている。
 

            【写真提供:いわき芸術文化交流館アリオス / 撮影・村井佳史さん】


 

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