郡山女子大学、同食物栄養学科は3月9日、第9回市民フォーラム「環境の放射線とその影響」を郡山市の同大で開き、4人の識者が放射線に関する各専門分野で意見を述べ合った。　
　はじめに、放射線医学総合研究所 環境動態・影響プロジェクトリーダーの吉田聡さんは「環境の放射線とその影響」と題して特別講演、環境中の放射線や福島原発の爆発事故による環境汚染、森の中の放射性セシウム、農林産物と放射性セシウムなどについて説明した。
　吉田さんは「セシウム134の放射能は約半分になったが、セシウム137は物理的半減期が30年でその減り方は緩やか。モニタリングを継続し、汚染の程度と環境の特徴に応じた対処法の選択が重要」と強調した。
　「環境汚染の現状を考える」をテーマにした識者4人によるシンポジウム、総合討論もあった。
　福島県農業総合センター 安全農業推進部副部長・課長の武地誠一さんが「福島県産農林水産物の放射性セシウム濃度」、郡山女子大教授の諸岡信久さんが「放射線汚染に対する郡山女子大学の取り組み」、同大教授の広井勝さんが「野生きのこ、落ち葉などの放射性セシウム濃度」と題してそれぞれ発表した。
　郡山女子大教授の藤本健四郎さんの司会で総合討論も行った。