日本人の技、心に触れる「The Art　of　Garman 尊厳の芸術展」が、3月11日まで福島市のこむこむ館で開かれている。
　第2次世界大戦中に強制収容された日系アメリカ人たちが、収容所での厳しい生活環境の中で作り上げた品々を展示している。
　限られた材料と道具に創意工夫をこらし作り上げた美術工芸品や日用品は、厳しい生活の中で粗末な素材から手作りで生み出されており、現代の私たちが忘れかけたものを今に伝えている。
　東日本大震災を経験し、現代文明のもろさを経験した今だからこそ見ておきたい作品展と言えそうだ。
　収容所でも普段の生活と変わらぬ環境をつくろうと工夫を重ね、芸術やスポーツ活動によってつらい現実から逃れて、生きる力を取り戻すことができたという。ある製作者は「作品を作ることは、その中に自分自身を投影すること」と記している。こうした作品を通して、不屈の精神や創造性に触れることができる。
　今回は生活に必要なもの、生活を彩るもの、生活の記録、故国の文化にわけて展示。　　
　背もたれの角度を工夫したイスや紙で作った籠（かご）、地面を掘り見つけた貝殻で作ったブローチ、硯（すずり）や仏壇など日本人の技と心が息づく作品が一堂に紹介されている。
　入場無料。こむこむ館、NHK福島放送局主催。
 
　＜今後の日程＞　仙台展・5月5日～18日、沖縄展・6月1日～30日、広島展・7月20日～9月1日