須賀川市の南東北春日リハビリテーション病院は21日、市民健康教室を開いた。
　総合南東北病院（郡山市）総合診療科医師の樋口健弥さんが「今年の夏は熱中症にならないぞ～体温の日内変動について～」と題して講話した。市民約30人が熱中症の予防と対策について理解を深めた。
　樋口さんは「体温は朝方が低く、夕方が高いという日内変動があるが、高齢者は夜間になっても体温があまり下がらない特徴がある」と話した。
　細胞組織の衰退で細胞内の水分が減っている高齢者は、体内の水分量が少なく脱水症状を起こしやすいとも説明した。
　「熱中症は予防できる。トイレに行くのがわずらわしいから、のどが渇いても飲み物を飲まないという人がいるが、カフェインの入っていない麦茶やそば茶、スポーツドリンクで水分補給をする。夏場は食事以外に1日あたり１・５㍑の水分補給を心がけてほしい」と、脱水症を起こさないための習慣をアドバイスした。
　また、大豆や麹で作った田舎みそのみそ汁は、ナトリウムやカリウム、アミノ酸、酵素などがバランスよく含まれ、熱中症対策には理想的な食品であることを強調。一方、アルコールやカフェインの含んだ飲み物は利尿作用が高いため水分補給には適さないなどと語った。
　最後に「年を重ねれば、年々体力は衰えていく。昨年、熱中症にならなかったから今年も大丈夫とは決して思わず、毎年欠かさず注意して欲しい」と、油断せず備えることの大切さを語った。
　ユーモアを交えて話す樋口医師の話に会場は笑いに包まれ、市民たちは楽しみながら熱中症対策の知識を身につけた。
　会場には、血管年齢、骨密度、血圧、体脂肪の測定コーナーも設けられ、参加者が健康チェックを行っていた。